メルクマニュアル家庭版
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法と倫理の問題

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事前指示書: 希望するケアの種類があれば、それが必要となる前に、事前指示書(アドバンス・ディレクティブ)(法的問題と倫理的問題: 事前指示書を参照)の形で指示しておくことができます。事前指示書は法的な意味をもつ合意書で、将来、患者の判断能力や行為能力がなくなったときに守られるべき、患者の価値観と治療に対する希望を明らかにしておくことができます。たとえば蘇生やチューブ栄養も、患者が望むならば事前指示書で禁止することができます。事前指示書には、医療に関する患者の希望を述べたリビングウィル、または医療上の決断を下す役目に他者を指名する医療判断代理委任状の形式がありますが、その両方の書類が作成されることもあります(法的問題と倫理的問題: リビングウィルを参照)。

自殺: 死期が近づいた患者の多くは自殺を考えます。自殺ほう助に関する論議が盛んになっている昨今ではなおさらです。医師と自殺について話し合えば助けになるでしょう。医師は、患者の痛みを和らげることに力を注ぎ、心をこめて接することで患者と家族を安心させ、生きる意味を見いだす手助けをしてくれます。それでもなお、状況に耐えられない人や、いつどのように死ぬかは自分の意思で決めたいと考える人は自殺を選びます。しかしたいていの場合、チューブ栄養や人工呼吸器といった寿命を引き延ばすだけの処置を拒否すれば、自らの意思で死を選ぶことができます。こうしたことを決めるのは、自殺とはみなされません。

米国オレゴン州では1998年に尊厳死法が制定されました。また、他の州でも同様の法案が審議されています。この法律により、オレゴン州の医師は、死を望む終末期患者に安楽死の薬を処方しても、合法と認められるようになりました。この法律には、乱用される可能性を防ぐための対策も盛りこまれています。悪用対策として、強制的な待機期間、カウンセリング、安楽死の依頼を認める別の医師の意見が必要となります。

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