メルクマニュアル家庭版
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財産の管理

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けがや病気による不測の事態に備えて、財産の管理についても対策を立てておいた方がよいでしょう。たとえ事故や病気で財産をコントロールする意思決定能力が損なわれなくても、重い病気やけががもとで、請求に対する支払い、資産運用、財産管理、ビジネス上の対応が困難になることがあります。信頼のおける意思決定者に法的権限を委譲する計画を立てておけば、混乱や出費を最小限に抑えることができます。

委任状、撤回可能な信託、共同名義という3つの基本的な方法を使えば、他者による財産と商務の監視を事前に計画できます。こうした計画は、弁護士の助けを借りれば万全になります。

委任状とは、ある人(本人)が重い病気にかかったり、重傷を負ったりしたときに、他の人(代理人)を指名して、銀行口座、投資、その他の財産の処理など、自分が行えなくなった行動を代行してもらうための文書です。同じ人を代理人に指名するとしても、医療に関する委任状とビジネスに関する委任状は、分けて計画した方が賢明です。全権委任状の多くは、代理人に医療に関する決定権を与えることができません。

撤回可能信託(生存信託)は、受益者の利益のために財産を管理する管財人(受託会社)に預けてある財産について、法的所有権を与えるものです。受託会社は、信託文書で明確に記された目的以外で、信託財産を使用することは法律的にできません。

共同名義は、名義人全員に財産管理の権利を与える、所有権の一形態です。銀行口座や家を共同名義で所有している人はたくさんいます。共同名義では、名義人1人が死亡した場合、その人の割りあて分の財産は、自動的に他の共同名義人に移動します。たとえば、両親が成人した子供と共同名義で当座預金口座を所有すると、両親も子供も口座から小切手を切ることができます。両親が死んだ場合、口座は子供が所有することになります。共同名義で所有された家は、生存している共同名義人が完全に所有することになります。

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