メルクマニュアル家庭版
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はじめに

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注釈)メルクマニュアル家庭版は、米国の状況について記載されています。 「ブランド薬とジェネリック薬」の章についても、日本における状況と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

ジェネリック薬の詳しい情報については、日本ジェネリック医薬品学会のサイトをご覧ください。

www.generic.gr.jp


薬の名前にはいくつかの種類があり、1つの薬には往々にしていくつかの呼び方があります。薬が初めて発見されたときは、薬の構成元素や分子構造を表す化学名がつけられます。化学名は日常的に使うには複雑すぎるため、研究者の間ではより簡単な、化学名の省略形かコード名(たとえばRU486など)が使われます。

薬が政府機関(米国の場合は食品医薬品局[FDA]が、国内で販売される薬の安全性と有効性を保証する政府責任機関)から承認されると、一般名と商品名(登録商標、銘柄名、ブランド名ともいう)が決められます。商品名は、その薬について特定の会社が独占的な権利をもつことを明らかにするものです。1例を挙げると、けいれんを防ぐ薬にジランチンという商品名のものがあり、その一般名はフェニトインです。

米国では、公的機関の米国一般名委員会(USAN)が一般名を割りあてます。商品名は、薬を製造した会社が指定します。一般名と商品名は、薬を処方したり、処方せんに従って調剤するときに他の薬と間違えないようにするため、独自の名前をつける必要があります。こうした起こりうる混乱を防ぐため、すべての商品名はFDAの同意を得なければなりません。

新しい化合物について言及するとき、政府職員、医師、研究者などは薬の一般名を使います。一般名は特定の会社の薬の銘柄や特定の製品ではなく、薬の成分そのものを指すためです。しかし、医師が処方せんを書くときは商品名を使うのが一般的です。これは商品名の方が簡単で覚えやすいため、新薬を商品名で覚える医師が多いからです。

一般名は商品名よりも複雑で覚えにくいのが普通です。一般名の多くは、薬の化学名、構造式、化学式などを省略したものです。これに対して商品名は、しばしば使用目的に関連して、親しみやすく覚えやすそうな名前をつけることが多いため、医師は商品名で薬を処方し、消費者は商品名で薬を探す傾向があります。薬の特性をほのめかした商品名もあります。たとえば、ロプレッサーは血圧を下げる薬、グルコトロールは血糖(ブドウ糖)値を下げる薬、ビバクチルは抗うつ薬で人をより陽気(vivacious)にするであろう薬、スケラキシンは骨格筋を弛緩(リラックス)させる薬です。ときには、商品名として単に薬の一般名を縮めたものを使う場合もあります。たとえば、ミノシンは一般名のミノサイクリンを縮めたものです。

食品や家庭用品の場合には、ジェネリックやノーブランドというと価格は安いが効果や品質の点では劣る、ブランド品のコピー商品のことを意味する場合があります。しかし医薬品の場合には、ジェネリック薬(同じ成分の後発製品)のほとんどは価格は安くともブランド薬と同じような効果があり、品質も同等とされています。

薬の名前の例

化学名

一般名

商品名

N‐(4‐ヒドロキシフェニル)アセタミド アセトアミノフェン タイレノール
7‐クロロ‐1, 3‐ジヒドロ‐1‐メチル‐5‐フェニル‐2H‐1, 4‐ベンゾジアゼピン‐2‐オン ジアゼパム バリウム
4‐[4‐(p‐クロロフェニル)‐4‐ヒドロキシピペリジノ]‐4'‐フルオロブチロフェノン ハロペリドール ハルドール
5‐チア‐1‐アザビシクロ[4.2.0]‐オクト‐2‐エン‐2カルボキシル酸, 7‐[(アミノフェニルアセチル)アミノ]‐3‐メチル‐8‐オキソ‐, モノハイドレート セファレキシン ケフレックス、ケフォラール、ケフタブ
DL‐トレオ‐2‐(メチルアミノ)‐1‐フェニルプロパン‐1‐オール プソイドエフェドリン スダフェド
N''‐シアノ‐N‐メチル‐N'‐[2‐[[(5‐メチル‐1H‐イミダゾール‐4‐イル)メチル]チオ]エチル]グアニジン シメチジン タガメット

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