メルクマニュアル家庭版
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カリニ肺炎

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ニューモシスチス‐カリニは、正常な肺の中では害を及ぼすことなく生存しているありふれた微生物です。この微生物が肺炎を起こすのは、癌(がん)や癌の治療、エイズなどのために体の防御機能が低下した場合だけです。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した患者がエイズを発症したことを示す最初の徴候が、カリニ肺炎という場合もあります。

ほとんどの人に、発熱、息切れ、乾いたせきがみられます。これらの症状は普通、数週間かけて起こります。肺が血液に十分な酸素を供給できなくなるため、ひどい息切れが起こります。

X線検査では、白い陰影も、ウイルス性肺炎でみられるような斑点模様もみられません。診断は、水蒸気を使ってせきを出させる方法か、気道内に器具を挿入する方法(気管支鏡検査(肺と気道の病気の症状と診断: 気管支鏡検査を参照))のどちらかによってたんのサンプルを採取し、顕微鏡検査で確定します。

トリメトプリム‐スルファメトキサゾールという2種類の抗生物質の配合剤を使用すると、カリニ肺炎にかかるリスクの高い患者の感染が予防できます。この薬の副作用には、発疹、体内の防御機能を担う白血球数の減少、発熱などがあり、特にエイズ患者でよくみられます。ほかに予防的に使用できる薬としては、ダプソン、アトバコン、吸入用のペンタミジンなどがあります。

カリニ肺炎の治療薬には、トリメトプリム‐スルファメトキサゾール、ダプソンとトリメトプリムの併用、クリンダマイシンとプリマキンの併用、アトバコン、静脈注射用のペンタミジンがあります。血液中の酸素濃度が一定のレベル以下に下がった場合、ステロイド薬も使用されます。

カリニ肺炎が治ったとしても、全体の死亡率は15〜20%に上ります。

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