メルクマニュアル家庭版
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良性発作性頭位変換性めまい

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良性発作性頭位変換性めまいは多くみられる障害で、頭の位置を変えることによって引き起こされます。

ほとんどの場合、横たわる、起き上がる、寝返りを打つ、見上げるために頭を後ろに反らすなど、頭の位置を変える動作がこの障害の引き金になります。この障害は、正常な状態では3つの半規管に均等に分布しているカルシウム粒子が、いずれかの半規管の中に集まってかたまりになってしまうと起こります(半規管は内耳の一部で、バランス機能を補助しています)(耳の構造を参照)。正常であれば、頭が動くとカルシウム粒子が半規管の内側にある神経受容体(毛細胞)を刺激し、これらの細胞が頭の動いた方向を示す信号を脳へ送ります。しかし、このカルシウム粒子が1カ所でかたまりになって浮遊していると、過大な信号が送られ、頭が実際以上に動いたとする誤った情報が脳へ伝わります。この誤った情報と眼からの情報にずれが生じると、回転性めまいの短い発作が起こります。かたまりは、半規管の内膜の損傷によって起こります。損傷の原因には耳の感染、外傷、手術、内耳の動脈の閉塞などがあります。

このタイプの回転性めまいが起こると驚きますが、害はありません。回転性めまいの発作は頭を動かした5〜10秒後に始まって、1分間も続きません。普通は数週間で自然に治まります。ときには何カ月も続いて、吐き気と嘔吐のために脱水症状が起こることもあります。雑音による耳鳴りや、聴力が失われることはまったくありません。

回転性めまいを起こす姿勢を取らなければ避けられます。患者は、カルシウム粒子のかたまりをほぐして半規管全体に再度行きわたらせるエプリー法を習うことができます。この運動により、カルシウム粒子は吸収されてから再形成され、正常な状態に戻ります。約90〜95%の人は、この方法によって薬を使わず回転性めまいが治ります。患者の一部は回転性めまいを再発するため、この操作を繰り返す必要があります。

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