メルクマニュアル家庭版
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セクション

はじめに

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けいれん性疾患は、脳の電気的活動が周期的に乱れるために起こり、脳機能に何らかの一時的な障害を生じます。

脳が正常に機能するためには、電気信号がぶつかり合わずに順序よく整然と放出されていなければなりません。この電気信号により脳は脊髄(せきずい)、神経、筋肉と、脳の内部と同様に情報交換できます。この電気信号の放出が異常になったときに発作が起こります。

成人の約2%は、生涯のどこかの時点で発作を経験します。このうち3分の2は、その後二度と発作が起こりません。最も一般的には、けいれん性疾患は幼児期もしくは晩年に発症します。「てんかん」という表現よりも「けいれん発作」の方が好まれていますが、これは「てんかん」という言葉には、何らかの脳の損傷を伴うとか、暴力的な傾向がある、などの誤ったイメージがあるためです。

原因

2歳前に発症するけいれん発作は、通常は高熱(けいれん性疾患: 乳児けいれんと熱性けいれんを参照)、または血液中に含まれるブドウ糖、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB6、ナトリウムの量が異常になる代謝性疾患が原因です。繰り返し起こるけいれん発作は、常染色体優性形質(異常劣性遺伝子の遺伝を参照)として遺伝する夜間前頭葉てんかんなど、遺伝性の脳障害の可能性があります。2〜14歳で発症するけいれん発作の多くは、原因不明です。25歳を過ぎて発症するけいれん発作は、頭部外傷、脳卒中、腫瘍などの脳の構造的な損傷が原因になりますが、この年代の発作の約半分は原因がわかっていません。原因が特定できないものは、特発性けいれんと呼ばれます。

けいれん性疾患の患者が発作を起こしやすい状況は、身体的・精神的に過剰なストレスがあるときや、睡眠不足のときです。脳に対する強い刺激、たとえば外傷、ある種の薬、不眠、感染症、発熱、血液中の酸素不足、異常な低血糖があると、けいれん性疾患のあるなしにかかわらず発作が起こることがあります。このようなけいれん発作は「誘発性けいれん」と呼ばれ、刺激を避けることで発作を防ぐことができます。

まれに連続音、フラッシュ光、テレビゲームや、体の一部に触れるだけで発作が起こることがあります。このような発作は、反射性てんかんと呼ばれています。

けいれん発作の原因

原因

高熱
  • 熱射病
  • 感染症
脳の感染症
  • 膿瘍
  • エイズ
  • マラリア
  • 髄膜炎
  • 狂犬病
  • 梅毒
  • 破傷風
  • トキソプラズマ症
  • ウイルス性脳炎
代謝性疾患
  • 高血糖や高ナトリウム血症
  • 腎不全または肝不全
  • 低血糖、低カルシウム血症、低マグネシウム血症、低ナトリウム血症
  • フェニルケトン尿症
  • 副甲状腺(上皮小体)機能低下
脳への酸素供給不足
  • 不整脈
  • 一酸化炭素中毒
  • 溺死しかかる
  • 窒息しかかる
  • 脳卒中
脳の構造的損傷
  • 脳腫瘍(非癌性または癌性)
  • 頭部外傷
  • 頭蓋内出血
  • 脳卒中
脳の水分蓄積(脳浮腫)
  • 子癇
  • 高血圧脳症
  • エリテマトーデス(紅斑性狼瘡)
薬や有毒物質
  • アンフェタミン
  • 樟脳(しょうのう)
  • クロロキン
  • コカイン過量摂取
  • ペンチレンテトラゾール
  • ピクロトキシン
  • ストリキニーネ
大量使用後の禁断症状
  • アルコール
  • 全身麻酔薬(手術中の使用)
  • 睡眠補助薬を含む鎮静薬
処方薬
  • セフタジジム
  • クロルプロマジン
  • シプロフロキサシン
  • イミペネム
  • インドメタシン
  • メペリジン
  • フェニトイン
  • テオフィリン

症状

けいれん性疾患患者の約20%は、発作に先だって変なにおいや味がしたり、幻覚をみたり、発作が今にも起こりそうな強い予感がしたりなどのアウラ(前兆)を感じています。前兆は通常、ごみが燃えるようなにおいや腐りかけの肉のにおいなど、不愉快な感覚を伴います。

ほとんどすべてのけいれん発作は比較的短く、数秒から数分間続くだけです。大部分は2〜5分の間です。発作が終わると、頭痛、筋肉痛、奇妙な感覚、錯乱、深い疲労感などが生じます。これらの影響は、発作後状態と呼ばれています。中には体の片側の力が抜けて、その脱力感が発作よりも長く続く場合があり、これはトッド麻痺(まひ)と呼ばれています。けいれん性疾患がある人のほとんどは、発作が起きないときは見た目も行動も正常で、ごく普通に生活しています。

症状は、脳のどの部分が信号の異常放電の影響を受けたかによって異なります(神経系のしくみと働き: 脳を参照、脳の機能障害: 部位別の機能障害を参照)。たとえば異常放電が側頭葉の奥にあるにおいの調整領域で起きたときは、好ましいまたは不快なにおいを強く感じます。側頭葉の他の領域で起きたときは、患者はデジャブ(既視感)と呼ばれる、初めて見る風景なのに以前に見たことがあるような感覚を経験します。また異常放電が前頭葉で起きたときは、患者は話せなくなります。広範囲に異常放電が起こると全身の筋肉がピクピクとけいれんしたり、体の一部がしびれたり、チクチクと痛んだり、瞬間うとうとと眠くなったり、失神、錯乱、脱力、膀胱の調節機能の消失などが起こります。

また脳の片側だけを障害する部分発作なのか、左右両方の脳を広範囲に障害する全般発作なのかによっても症状が異なります。部分発作の中にはさらに、意識が失われず周囲の状況も把握できる単純発作と、意識は完全には失われないものの意識障害が起こる複雑発作があります。部分発作の種類には、単純部分発作、ジャクソン発作、複雑部分発作、持続性部分てんかん、などがあります。全般発作では、発作の直後から意識が失われたり、異常行動がみられたりします。意識を失っている時間は、短い場合も長い場合もあります。全般発作の種類には、強直間代発作(大発作)、原発性全身てんかん、欠神発作(小発作)、脱力発作、ミオクローヌス発作、てんかん重積状態などがあります。

患者の約70%は、どれか1種類のけいれん発作だけですが、残りの約30%は複数の発作を起こします。たとえば若年性ミオクロニーてんかんの小児の中には、腕のミオクローヌス発作に加えて、強直間代発作と欠神発作が起こります。

単純部分発作では、放電が脳の一部に起きてその領域にとどまります。影響するのは小さな領域だけなので、症状はその領域が調節している機能に関連します。たとえば、左前頭葉の中で右腕の動きをコントロールしている小さな領域だと、右腕がピクピクと小刻みにふるえ始めます。単純部分発作は、複雑部分発作に進行する場合もあります。

ジャクソン発作は、体の一部で起きた症状が、体の他の部分へ広がっていきます。脳の電気的活動範囲が拡大するにしたがって、手足に起きた異常な動きが次第に四肢へ広がっていく、いわゆる「ジャクソン行進」と呼ばれる症状が現れます。患者は発作中の出来事にすべて気づいているため、ジャクソン発作は単純部分発作に分類されています。

複雑部分発作(精神運動発作)は、通常1〜2分間続く前兆とともに起こります。前兆が起きている間に、周囲との接触が失われはじめます。前兆の最中あるいは直後に、じっと見つめたり、手足を意味もなく奇妙に動かしたり、意味不明な音を発したり、他人の言っていることが理解できずに、手助けを拒んだりします。会話ができる人もいますが、自然な会話ではなく内容も薄っぺらなものです。この状態は数分間続いた後、患者は完全回復します。あるいは、異常放電が患部に隣接した領域や脳の反対側へ広がる場合もあります。その結果、全般発作を引き起こし、手脚が小刻みにけいれんしたり、口から泡を吹いたり、意識を失ったりします。

持続性部分てんかんは、部分発作が連続して、または頻繁に再発するまれなタイプで、手や顔に症状が現れます。発作は数秒から数分ごとに起こり、数日から数年間続きます。これらの発作は通常、成人では脳卒中による瘢痕(はんこん)など限局性の脳の損傷による結果で、小児では脳炎やはしか(麻疹)などの脳の炎症です。

強直間代発作(大発作)は、通常脳の小さな領域で起きた異常放電で始まり、複雑部分発作を引き起こします。しかし、放電は隣接部分へ急速に広がって、脳全体の機能不全に至ります。原発性全身てんかんは、電気信号の異常放電が脳の広い領域で起こることから始まります。この異常放電は、急速に他の領域へ波及していきます。強直間代発作と原発性全身てんかんでは、異常放電によって一時的な意識消失とけいれんが起こり、筋肉が激しく収縮し、全身が引きつったようになります。頭が一方向に強くねじれ、歯を食いしばり、よく舌をかんだり、膀胱の調節が失われます。発作は通常1〜2分間続きます。発作後には頭痛、一時的な錯乱、極度の疲労感が生じます。患者は発作中に起きたことを覚えていないのが普通です。

欠神発作(小発作)の多くは、5〜15歳の小児期に始まります。けいれんなど、強直間代発作ほど劇的な症状はありません。倒れたり、力が抜けたり、引きつけたりもしません。その代わり、患者は何かをじっと見つめながらまぶたをパチパチさせたり、顔の筋肉をピクピクさせます。患者は周囲の動きにまったく気づかなくなります。発作の長さは2〜3秒ですが、まれに10〜30秒間続く場合もあります。患者は突然動かなくなったかと思うと、また突然に動き始めますが、発作の影響は残らず、発作が起きたことも覚えていません。

脱力発作は主に小児に起こり、筋肉の緊張と意識が完全に失われるのが特徴です。発作は短時間ですが、小児が地面に崩れ落ちたりするため、けがをする危険があります。

ミオクローヌス発作は、腕や脚の一部または数カ所、あるいは胴体がピクピクと短くけいれんします。発作は短く意識も失われませんが、繰り返し起こります。

てんかん重積状態は、けいれん性疾患の中では最も重症の救急状態で、発作が止まりません。電気的放電は脳のいたるところで発生します。異常放電によって全般発作が15分以上続き、しかも患者が意識を完全に取り戻す前に、発作が再発します。強い筋収縮を伴うけいれんが起きて、呼吸がうまくできなくなります。迅速に治療しなければ、心臓と脳に負荷がかかり過ぎて永久的な障害が残ったり、死亡します。

けいれん発作は、重大な結果をもたらす危険があります。急激な強い筋肉の収縮によって骨折を含むけがが生じたり、突然の意識消失によって、転倒や事故による重傷を負う可能性もあります。けいれんの激しい電気的活動が休みなく繰り返し起こる発作では、脳に損傷を与えることがあります。しかし、けいれん性疾患患者のほとんどは、生涯に何十回と発作を経験しますが、脳に深刻な障害を負っていません。1回の発作だけで知能が損なわれることはありませんが、けいれんが再発を繰り返す場合は、最終的に知能低下を招きます。

診断

少なくとも2種類の発作が別々に起こる場合は、けいれん性疾患が考えられます。診断は、既往歴と発作を目撃していた人の話に基づいて行われます。けいれん発作が疑われる症状には、意識消失、体をふるわせる筋肉のけいれん、膀胱調節の喪失、突然の錯乱、注意力散漫などがあります。しかし、本当のけいれん発作は多くの人々が考えるよりずっと少なく、短時間の意識消失の多くは失神(低血圧: 失神を参照)です。

目撃者の報告は、非常に役立ちます。通常は患者にはできませんが、目撃者は何が起きたかを正確に述べることができます。発作はどのくらい急に始まったか、頭、首、顔の筋肉のけいれんなど異常な筋肉の動きがなかったか、舌をかまなかったか、失禁しなかったか、発作はどの程度続いたか、回復するまでにどれほどの時間がかかったかなど、状況の正確な説明が求められます。さらに、発作が起こる前の患者の状態も知る必要があります。たとえば何か変わったことが今にも起こりそうな予感が本人にあったのかどうか、音やフラッシュ光などの発作の引き金になるような出来事があったか、などです。

けいれん性疾患の診断には、脳の電気的活動を記録する脳波検査(EEG)が役立ちます。この検査は、痛みもなく安全です(脳、脊髄、神経の病気の診断: 脳波検査を参照)。医師は脳波の記録を調べて、脳内に異常な電気的放電の証拠を探します。異常放電はひどい睡眠不足のときに起こりやすいため、18〜24時間寝ないでもらってから脳波検査を行うこともあります。脳波検査中に発作が起こらなくても、異常がないとはいえません。脳波の記録を取る検査時間は限られているため、患者にけいれん性疾患があっても、波形は正常で異常が見つからないこともあります。

けいれん発作中の脳の活動

脳波(EEG)とは、脳の電気的活動を記録したものです。検査は簡単で痛みもありません。約20個の小さな電極を頭皮に貼って、正常時の脳の活動を記録します。次に、明るい光やフラッシュなどのさまざまな刺激を与えて、わざと発作を誘発します。発作が起きているときは脳の電気的活動が活発になり、ギザギザの波形が現れます。このような脳波が記録されれば、けいれん性疾患を識別するのに役立ちます。発作のタイプによって、さまざまな波形が現れます。

けいれん性疾患の診断がつけば、原因を突き止めるためにさらに検査が行われます。血液中のブドウ糖、カルシウム、ナトリウムの量を測定し、肝臓と腎臓の機能を調べるために血液検査を行います。全血球計算を実施して白血球と赤血球の数を調べます。白血球の数が多ければ感染が示唆され、赤血球の数が少なければ(貧血)、脳の酸素不足が示唆されます。また、症状を起こす可能性がある不整脈を除外するために、心電図検査(ECG)(心血管系の病気の症状と診断: 心電図検査を参照)も実施します。なぜなら、心拍に異常があると脳への血流が減ることがあるため(したがって酸素も不足します)、発作の引き金になったり、意識消失の原因になります。

脳卒中などによる脳組織の構造的な損傷をチェックするために、頭部のCT検査やMRI検査を実施します。脳を包んでいる組織の感染症(髄膜炎)や脳の感染症(脳炎)の有無を調べるために、脊椎穿刺(腰椎穿刺)(脊椎穿刺の実施方法を参照)が必要になることもあります。

治療

原因が判明して取り除くことができれば、それ以上の治療は必要ありません。たとえば血糖値が低い(低血糖を参照)ために発作が起きていた場合は、ブドウ糖を投与して血糖値を上げ、低血糖の原因になっている病気を治療します。その他の治療可能な原因には、腫瘍、感染症、ナトリウム濃度の異常などがあります。

抗けいれん薬が必要なのは、発作の再発リスクを減らすためです。原因不明の全般発作が1回しか起きていない患者には、通常は処方されません。抗けいれん薬は、発作が2回以上起きていて、まだ原因を特定できず除くことができていない場合に使用されます。

抗けいれん薬で、患者の半数以上はけいれん発作がまったく起こらなくなり、残りの3分の1も発作の頻度が大幅に減ります。しかしこれらの薬は、欠神発作にはそれほど効きません。抗けいれん薬に反応した患者の半数は、再発することなく最終的に発作を起こさなくなります。しかし、けいれん性疾患患者の約10〜20%は、抗けいれん薬でも発作を十分に防ぐことはできません。

すべてのけいれん発作に効くような特効薬はありませんが、ほとんどの人はどれか1種類の薬で発作を抑えることができます。発作が再発するようなら、別の抗けいれん薬が試されます。効果がある抗けいれん薬が見つかるまでに数カ月かかることもあります。一部の患者では複数の薬が必要になります。

けいれん性疾患がある女性が妊娠中に抗けいれん薬を服用すると、流産や生まれる児の先天性欠損のリスクが増加します(妊娠中に障害を起こすおそれのある主な薬*を参照)。しかし、抗けいれん薬を中止すると、母子双方にとって、さらに有害になることもあります。

てんかん重積状態は緊急を要する状態なので、大至急1種類以上の抗けいれん薬を静脈内に大量投与します。発作が長びいているときには、外傷を予防する処置が取られます。

抗けいれん薬は大変効果がありますが、副作用もあります。副作用で多いのは眠気ですが、小児では逆に多動になることがあります。血液検査を定期的に行って、腎臓、肝臓、血球への抗けいれん薬による副作用をチェックします。抗けいれん薬を使用している人は副作用があることを自覚し、副作用の徴候が少しでも現れたらただちに診察を受けてください。

抗けいれん薬の用量は非常に重要です。この薬の至適用量とは、すべての発作を防げる最少の用量のことで、副作用も最も少なくなります。医師は副作用について患者に尋ね、必要なら用量を調節します。血液中の抗けいれん薬濃度を測定する場合もあります。抗けいれん薬は必ず処方通りに服用してください。医師か薬剤師の確認が取れないうちは、どんな薬も抗けいれん薬と同時に使用すべきではありません。なぜなら、血液中の抗けいれん薬の濃度を変えてしまう薬が数多くあるからです。抗けいれん薬の服用中は、薬の用量を調整するために定期的に医師の診察を受ける必要があります。米国では、けいれん性疾患の種類と服用している薬品名を刻印した医療用のブレスレットを常に着用すべきだとされています。

運動や社会的な活動への参加も奨励されています。しかし、けいれん性疾患の患者には若干の注意点があります。たとえば、アルコール飲料は飲むべきではありません。1人で泳いだり電動工具を使用するなど、突然意識を失った場合に重大な外傷に結びつくような行動は避けるようにしてください。米国では大部分の州で、少なくとも6カ月から1年間は発作が起こらなくなるまで、けいれん性疾患患者の運転は法律で禁止されています。

家族や友人は、発作が起きたときの対処法を習っておくべきでしょう。口の中にスプーンなどを入れて、舌をかまないようにする試みは、利点よりも害の方が大きいのでやめるべきです。歯が折れたり、無意識のうちにあごの筋肉が収縮して援助者にかみつくおそれがあります。重要なのは、患者の転倒を防ぐ、首の周りの衣服をゆるめ、頭の下に枕をあてるといった作業です。意識を失っている場合は、横向きにして呼吸を楽にしてあげます。完全に意識を取り戻して正常に動けるようになるまで、発作を起こした人のそばを離れないようにしてください。発作が起きたときには、必ず主治医に知らせます。

どの薬でも発作が抑えられなかったり、薬の副作用が耐えられないほどひどいときには、脳の手術という方法もあります。脳に瘢痕などの原因が見つかり、しかもそれが狭い領域に限られていることがわかれば、その部分を手術で切除すると発作が起こらなくなったり、発作の重症度や頻度を減らせるでしょう。左右の脳をつなぐ神経線維の脳梁を切断する手術は、脳の複数の領域から急速に脳全体へ広がっていくタイプの発作に効果があります。この方法は、特に大きな副作用はありません。手術後も、多くの人は抗けいれん薬の服用を続ける必要があります。

迷走神経(第10脳神経)の電気刺激によって、部分発作の回数を3分の1減らすことができます。迷走神経は、発作をたびたび起こさせる脳領域と間接的な関連があると考えられています。心臓のペースメーカーに似た装置を左の鎖骨の下に埋め込み、皮膚の下に電線を通して頸部の迷走神経と接続します。装置を埋め込んだ部分は、皮膚が少し盛り上がります。手術は外来で行われ、手術時間は約1〜2時間です。装置の導入後は、発作が起きそうだと感じられたときには、磁石を使って装置のスイッチを入れるか、あるいはスイッチを入れっぱなしにしておきます。この迷走神経電気刺激法によって発作を防いだり、頻度と重症度を減らせます。迷走神経刺激法は、抗けいれん薬と併用して行われます。副作用としてせきが出たり、声がしわがれたり、太くなったりします。

薬剤名

用途

起こりうる副作用

カルバマゼピン

  部分発作および全般発作 白血球数の減少(顆粒球減少)、赤血球数の減少(貧血)、消化器の不調、視力障害

クロナゼパム

  欠神発作、ミオクローヌス発作、脱力発作、乳児けいれん 眠気、異常行動、筋肉協調運動の消失、1〜6カ月後に薬剤耐性

ジバルプロエックス

  欠神および複雑部分発作、てんかん重積状態には薬を注射 吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、筋力低下、眠気、めまい、ふるえ、体重増加、肝障害

エトスクシミド

  欠神発作 吐き気、嗜眠、めまい、頭痛、白血球数の減少、赤血球数の減少

フェルバメート

  複雑部分発作;他の薬がすべて効かない場合に、他の抗けいれん薬と併用 頭痛、疲労、肝不全、まれに再生不良性貧血(致死性疾患)

フォスフェニトイン

  てんかん重積状態 筋肉協調運動の消失、眠気、めまい、頭痛、発疹、刺すような痛み

ガバペンチン

  複雑部分発作;他の抗けいれん薬と併用 眠気、めまい、体重増加、頭痛

ラモトリジン

  複雑部分発作および全般発作;他の抗けいれん薬と併用 発疹、吐き気、嘔吐、消化不良、眠気、めまい、鼻水、女性の月経周期異常

レベチラセタム

  複雑部分発作;他の抗けいれん薬と併用 眠気、めまい、疲労

ロラゼパム

  てんかん重積状態 眠気、心拍数および呼吸数の減少

ミダゾラム

  てんかん重積状態 眠気、心拍数および呼吸数の減少

オキシカルバゼピン

  成人の複雑部分発作には唯一の抗けいれん薬として、あるいは小児および成人の複雑部分発作にその他の抗けいれん薬と併用 頭痛、眠気、めまい、疲労、吐き気、低ナトリウム血症、白血球数の減少

フェノバルビタール

  部分発作および全般発作、てんかん重積状態 眠気、小児の多動、眼球が一方向に素早く動いた後ゆっくりと元の位置に戻る眼振、錯乱、筋肉協調運動の消失

フェニトイン

  部分発作および全般発作;てんかん重積状態には薬を静脈投与 歯肉の腫れ、赤血球数の減少、骨密度の低下、過度の毛深さ(多毛症)、内分泌腺の腫れ、小児の認識発達障害

プリミドン

  部分発作および全般発作 眠気、小児の多動、眼振、筋肉協調運動の消失

チアガビン

  複雑部分発作;他の抗けいれん薬と併用 眠気、めまい、錯乱、筋力低下、吐き気、腹痛、神経質、筋肉のふるえ、膝の屈曲

トピラメート

  複雑部分発作;成人には他の抗けいれん薬と併用 錯乱、言葉がうまく出ない、うつ病、食欲不振、腎臓結石

バルプロ酸

  欠神発作、ミオクローヌス発作、全般発作、部分発作、乳児けいれん 吐き気、嘔吐、体重増加、回復性の脱毛、一時的な眠気

ビガバトリン

  複雑部分発作;他の抗けいれん薬と併用 眠気、めまい、頭痛、疲労

ゾニサミド

  複雑部分発作;他の抗けいれん薬と併用 眠気、筋肉協調運動の消失、腎臓結石、食欲不振、吐き気

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