メルクマニュアル家庭版
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その他の原発性脱髄疾患

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急性播種性脳脊髄炎(傍感染性脳脊髄炎または感染後脳脊髄炎)は、脳と脊髄の神経に脱髄を引き起こすまれなタイプの炎症です。通常ははしか(麻疹)、水ぼうそう(水痘)、風疹などのウイルス感染やワクチン接種の後に発症します。これは、ウイルスが引き金になって誤った免疫反応が誘導されるためと考えられています。ウイルス感染が始まってから5〜10日後に発症するのが典型的です。ステロイドの静脈注射で治療できます。ギラン‐バレー症候群は、これと同様の末梢神経の異常です。

副腎白質ジストロフィ副腎脊髄神経障害は、珍しい遺伝性の代謝異常です。副腎白質ジストロフィは少年に起こる病気で通常は7歳までに発症します。より発症が遅いタイプでは、20代の成人で始まります。副腎脊髄神経障害は、思春期の少年に起こります。これらの病気では、副腎の機能不全を伴う広範囲の脱髄が起きて、最終的に精神の衰退、けいれん、失明が起こります。いずれの病気も、治癒させる方法は知られていません。ロレンツォの油と呼ばれるグリセロールトリオレートとグリセロールトリエルケートによる栄養補充療法は、この病気の進行を遅らせるかどうか明らかではありません。骨髄移植は試験的な治療法です。

レーバー遺伝性視神経萎縮症は、脱髄を引き起こして部分失明をもたらします。この病気は男性に多く、症状は通常10代後半から20代前半に現れます。この病気は母親から遺伝し、欠損した遺伝子は細胞の内部でエネルギーを供給しているミトコンドリア内にあるとみられます。

熱帯性痙性麻痺(成人T細胞白血病関連脊髄症)(脳と脊髄の感染症: 熱帯性痙性麻痺を参照)は脊髄の脱髄を引き起こす病気で、成人T細胞白血病ウイルス(HTLV)による感染によって起こります。この病気は数年にわたって悪化し、徐々に脚のけいれんと筋力低下が進行し、頻繁な強い尿意、尿失禁、腸管の機能不全を引き起こします。治癒させる方法はありませんが、ステロイドを使用すると改善し、血漿交換は一時的な改善をもたらします。

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