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舌咽神経痛

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舌咽神経痛はのど、扁桃、舌に通っている第9脳神経(舌咽神経)の機能不全により、扁桃に近いのどの奥や舌の後ろに激痛発作が繰り返し起こる病気です。

舌咽神経痛は、まれな病気で、通常は40歳を過ぎてから発症し男性に多く起こります。原因は不明です。

症状

三叉神経痛と同様に、発作の時間は短く間欠的ですが、耐えがたい痛みが起こります。ものをかむ、飲みこむ、せき、くしゃみなどの特定の動作がきっかけになって発作が誘発されます。痛みはのどの奥や舌の後ろから始まって、耳にまで広がることがあります。痛みは数秒から数分間続き、通常はのどと舌の片側だけに起きて、耳へ放散されます。患者の1〜2%に、不整脈が起こります。心拍が非常に遅いために、一時的に停止して失神を引き起こします。

診断と治療

舌咽神経痛は、痛みの部位と特殊な検査により、三叉神経痛と区別されます。検査では、まず医師が綿棒でのどの奥に触れます。もしも発作が起きた場合は、のどの奥に局所麻酔をかけて検査を繰り返します。局所麻酔で発作が防げるようならば舌咽神経痛と診断されます。

神経の圧迫を取り除く

神経の圧迫を取り除く

異常な位置にある動脈が脳神経を圧迫しているために痛みが起きているときは、血管減圧術と呼ばれる手術によって痛みを軽減することができます。この方法は、三叉神経痛、片側顔面けいれん、舌咽神経痛の治療に用いられます。

三叉神経が圧迫されているときには、後頭部の髪をそって切開部とします。外科医は頭蓋骨に小さな穴を開け、脳の縁を持ち上げて神経を露出させます。次に、神経を圧迫している動脈を神経から離して、間に小さなスポンジを挟みます。全身麻酔が必要ですが、この手術による副作用のリスクはわずかです。副作用には、顔面のしびれ、顔面の筋力低下、複視、感染、出血、聴力や平衡感覚の変化、麻痺などがあります。通常はこの手術で痛みが軽減しますが、約15%の人に再発します。

三叉神経痛と同じ薬が治療に用いられ、カルバマゼピン、フェニトイン、バクロフェン、三環系抗うつ薬(脳神経の障害: 診断と治療を参照)が、この病気にも有用です。これらの薬が効かない場合は、のどの奥に局所麻酔をかけると一時的に痛みが抑えられます。しかしながら、永久に痛みを取り除くためには手術が必要です。手術では、舌咽神経を圧迫している動脈から分離して両者の間に小さなスポンジを埋めこみます。

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