メルクマニュアル家庭版
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マリファナ

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マリファナ(大麻)の使用は広範にわたっています。米国の高校生を対象に行った調査では、その使用は周期的に増減しながら次第に増加していることがわかります。マリファナは、米国では主に喫煙用のタバコ(ジョイント)として使用され、これには乾燥した大麻(カンナビス‐サティバまたはカンナビス‐インディカ)の茎、葉、花の部分が使われます。マリファナはこのほか、大麻の樹脂を固めたタール状の物質(ハシシ)としても使用されます。マリファナの活性成分であるテトラヒドロカンナビノール(THC)にはさまざまなバリエーションがあり、最も強い作用をもつ活性体はデルタ‐9‐THCです。

アルコールと同様に、マリファナも断続的に使用すれば、特に目につく社会的問題や精神的問題、依存性を生じることはありません。しかし、マリファナ依存になる人もいて、嗜癖に伴う問題行動がみられる人も多くいます。

症状と合併症

マリファナは脳の活性を低下させ、観念にまとまりがなくコントロールできない感じがする夢幻状態をもたらします。時間、色、空間の感覚がゆがんで強調されるといった軽度の幻覚症状が現れます。色はより鮮やかに見え、音は大きく聞こえ、食欲は増進します。マリファナは通常、緊張を軽減して幸福感をもたらします。高揚感、興奮、内面的な快楽状態(いわゆる「ハイな気分」)などの感覚は、1人で吸う、グループで一緒に吸うなど、マリファナを吸っている状況の雰囲気に関係しているように思われます。マリファナを吸っている間は運動能力が低下するので、運転や重い装置を操作するのは危険です。

マリファナを大量に吸うと、錯乱したり見当識を失うことがあります。中毒性精神病と呼ばれる状態になり、自分がだれなのかわからなくなったり、場所や時間をうまく認識できなくなることもあります。精神疾患がある人は特にこれらの影響を受けやすく、統合失調症(精神分裂病)はマリファナによって悪化するという明白なデータが示されています。ときにパニック反応が生じることがあり、特に初めて吸ったときによくみられます。このほか心拍数の増加、眼の充血、口の渇きなどの影響もみられます。

男性が長期間にわたって大量のマリファナを吸うと、テストステロン値が低下し、精巣が萎縮(いしゅく)し、精子数が減少することがあります。女性の場合は、月経不順が生じることがあります。しかし、これらの影響が必ず生じるというわけではなく、受胎への影響も不明です。妊婦がマリファナを吸うと、生まれてくる新生児が吸わない人の場合より小さくなることがあります。また、デルタ‐9‐THCが母乳に入り、その母乳を飲んだ赤ちゃんが中毒になることもあります。

マリファナは数週間かけてゆっくり体外に排出されるため、離脱症状は比較的軽度です。マリファナを大量に吸っていた人が急にやめると、けいれん性の動きや不眠といった症状が現れます。

診断と治療

マリファナを吸うと、ごくたまに軽く吸うだけの人でも、尿検査の結果は数日から数週間にわたって陽性になります。常用者では、マリファナが体の脂肪から徐々に放出されるため、数週間以上にわたって検査結果は陽性になります。尿検査はマリファナ使用を調べる効果的な方法ですが、尿検査が陽性であっても、マリファナを吸ったことがあるのがわかるだけで、現在中毒になっているかどうかはわかりません。

マリファナをやめたい人には、カウンセリングが効果的です。ただし、本当にやめられるかどうかは、本人にやめようという強い動機があり、常用者の仲間から離れる意志があるかどうかにかかっています。

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