メルクマニュアル家庭版
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唇の病気

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腫れ: 唇は、アレルギー反応によって腫れることがあります。アレルギー反応の原因には、ある種の食べものや飲みもの、薬、口紅、空気で運ばれる刺激物質などがあります。腫れの原因を見つけて取り除けば、唇は正常な大きさに戻りますが、腫れの原因がわからない場合がほとんどです。遺伝性血管浮腫と呼ばれる病気では、繰り返し唇が腫れます。また、非遺伝性の原因としては、多形紅斑、日焼け、寒い乾燥した天候、外傷などによっても唇が腫れます。

治療は原因に応じて行われます。コルチコステロイド軟膏は、アレルギー反応による唇の腫れを抑えるために使用されることがあります。また、美容上の観点から、唇の余分な組織を手術で取り除くこともあります。

炎症: 唇に炎症(口唇炎)が起きると、口の隅(口角)に痛み、ひりひり感、発赤、ひび割れ、うろこ状のびらんなどの症状が現れます。口唇炎の原因が食事のビタミンB2不足にある場合は、ビタミンのサプリメントで治すことができます。ただし、ビタミンB2不足となることは、米国や日本ではまれです。

うまく合わない入れ歯(不適合義歯)を使用していてあごが十分に開かないと、口角口唇炎が起きて、口角に縦じわができたり、皮膚がただれたりします。この場合は、入れ歯を作り直せば、口角に縦じわができにくくなります。

変色: 唇の周囲の皮膚に、そばかすや、不規則な形をした褐色のしみ(メラニン色素斑)が現れて、何年間も消えないことがよくありますが、これらの変色は心配いりません。小さな黒褐色の斑点が散発的に多数現れる場合、小さな黒褐色の斑点はポイツ‐イェガース症候群と呼ばれる遺伝性疾患の徴候で、胃や腸にポリープができます(消化器系の腫瘍: 大腸と直腸のポリープを参照)。川崎病は、5歳以下の乳幼児や小児に多く起こる原因不明の病気で、唇が乾燥してひび割れたり、口腔粘膜が赤くなったりします(川崎病とはを参照)。

潰瘍: 唇の表面にできた潰瘍が、盛り上がっていたり、周囲が硬い場合は皮膚癌の疑いがあります(口にできる腫瘍: 口腔癌の種類を参照)。潰瘍はこのほか、口唇単純ヘルペス感染症や梅毒などの病気の症状としても現れます(口内炎: ヘルペス性口内炎を参照)。ケラトアカントーマ(角化性棘細胞腫)で現れる潰瘍など、原因不明の潰瘍もあります。

太陽光線による損傷: 日光にあたって唇が損傷を受けると、特に下唇が乾いて、硬くなります。赤い小さな斑点や、白い薄皮状の変色がみられる場合は、皮膚癌になる可能性が高いことを示しています。日光による損傷を防ぐには、唇に日焼け止めリップクリームを塗ったり、つばの広い帽子をかぶったりして、有害な太陽光線を顔に浴びないようにします。

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