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裂孔ヘルニア

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裂孔ヘルニアとは、正常な腹腔内の位置から横隔膜より上方に突出した胃の一部分のことです。

裂孔ヘルニアの原因は不明です。生まれたときから存在する人もいます。胃は腹腔上部の正常な位置から横隔膜を通って上に突出することがあります。これが出生時の障害として起こると横隔膜ヘルニア(先天異常: 横隔膜ヘルニアを参照)と呼ばれ、成人では裂孔ヘルニアと呼ばれます。

裂孔ヘルニアとは

裂孔ヘルニアとは

裂孔ヘルニアは、胃の一部分が異常にふくらんで横隔膜から突出した状態です。

滑脱裂孔ヘルニアでは、正常ならすべて横隔膜の下にあるべき胃の一部分が、食道と胃の接合部と一緒に、横隔膜より上に突出します。

傍食道裂孔ヘルニアは、食道と胃の接合部は横隔膜より下の正常な位置にありますが、胃の一部分が横隔膜の上に押し出されて食道と並んだ状態になっています。

症状

米国では40%以上の人に滑脱裂孔ヘルニアがみられます。年をとるほどその頻度が高くなり、60歳以上では割合が60%にも上ります。大半の滑脱裂孔ヘルニアは非常に小さく、ほとんどの人は無症状です。症状がある場合も軽微です。滑脱裂孔ヘルニアは、胃食道逆流症(消化性の病気: 胃食道逆流症を参照)に関連しており消化不良を起こしやすく、食後に横になったときに起こるのが典型的です。

傍食道裂孔ヘルニアは、横隔膜に挟まったり締めつけられたりすると、血液が流れなくなります。この危険な、強い痛みを伴う状態は嵌頓(かんとん)と呼ばれ、緊急手術が必要となります。どちらのタイプのヘルニアでも、まれにヘルニアの粘膜から微量または大量の出血が起こることがあります。

診断と治療

撮影時に腹部を圧迫しなければなりませんが、裂孔ヘルニアは通常はX線撮影により明らかになります。

就寝時にベッドの頭部を高くしておくと、しばしば症状を予防できます。制酸薬や胃酸分泌を抑制する薬も症状の緩和に効果があります(消化性の病気の治療に使われる主な薬を参照)。傍食道裂孔ヘルニアは嵌頓を防ぐために外科的に修正することもありますが、手術が必要になることはまれです。

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