メルクマニュアル家庭版
印刷用画面

セクション

肛門癌

-
-

肛門癌は、肛門周囲に接している皮膚細胞または肛門と直腸の境目(肛門管)の粘膜に発生します。直腸や大腸の癌のほとんどは腺癌であるのに対して、肛門癌は扁平上皮癌です。

米国では、肛門癌は年間およそ10万人に1人の割合で発症しています。女性が男性の2倍多く発症しています。肛門癌の原因はわかっていません。男性では、肛門性交が肛門癌の発症と関連があるとされ、性行為で感染するヒトパピローマウイルス(HPV16型)が肛門癌の原因として疑われています。

症状と診断

症状は排便時の出血、痛み、肛門周囲のかゆみです。肛門癌の患者のおよそ25%は無症状です。通常の診察で見つかることもあります。

肛門癌の診断は、まず肛門周囲の皮膚を視診します。次に肛門と直腸下部を触診して肛門の粘膜部と周囲をチェックします。異常があれば組織サンプルを採取して顕微鏡で調べます(生検)。

治療

治療は、放射線療法と化学療法の併用か、放射線療法と手術、または放射線療法と化学療法に手術を加えた治療が行われます。手術単独では、排便時まで一時的に便を蓄えておく筋肉(肛門括約筋)の機能が妨げられ、便失禁のおそれがあるのであまり行われません。放射線療法と化学療法の併用、または放射線療法と手術の併用を行った場合の5年生存率は70%です。治療後、最初のフォローアップ生検で再発が認められれば、さらに広範囲な摘出手術が行われます。

個人情報の取扱いご利用条件