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肝腫瘍の概要

執筆者:

Danielle Tholey

, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

レビュー/改訂 2021年 8月
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肝臓の腫瘍(肝腫瘍)には、がんではない良性腫瘍と、がんである悪性腫瘍があります。

肝臓の良性腫瘍は比較的よくみられますが、通常は症状を引き起こしません。しかしまれに、それらの腫瘍が右上腹部の不快感、肝臓の腫大、または腹腔内出血(肝臓から腹腔への出血)を引き起こします。良性の肝腫瘍には以下のものがあります。

知っていますか?

  • ほとんどの肝臓がんは、肝臓以外の部位で発生したものです。

  • 良性の肝腫瘍のほとんどは、別の理由で超音波検査などの画像検査が行われた際に偶然発見されます。

嚢胞

肝臓に液体で満たされた袋状の病変(嚢胞)ができることがあります。ほとんどの嚢胞は症状や健康上の問題を引き起こさず、通常は画像検査で偶然発見されます。

ときに、嚢胞が非常に大きいと、他の臓器を圧迫したり、痛みを引き起こしたりする可能性があります。このような場合、経皮的に嚢胞を吸引することがあります(手術による切開を伴う場合と伴わない場合があります)。しかしながら、嚢胞はしばしば再発します。嚢胞が再発して生活の質に影響を及ぼしたり、その他の重大な問題を引き起こしたりする場合、医師は 肝移植 肝移植 肝移植とは、健康な肝臓またはときに生きている人から肝臓の一部を手術で摘出し、肝臓が機能しなくなった人に移植することです。 ( 移植の概要も参照のこと。) 肝移植は2番目に多い臓器移植です。肝臓が機能しなくなった人々に残された唯一の選択肢です。 完全な形の肝臓は死亡した人からしか提供を受けられませんが、肝臓の一部であれば生きているドナーでも... さらに読む を勧めることがあります。しかし、これはめったにありません。

まれに、生まれつき肝臓に多くの嚢胞(多嚢胞性肝疾患と呼ばれる病気)がある人もいます。このような人では、他の臓器にも複数の嚢胞がみられるのが通常で、腎臓に多数の嚢胞がみられる 多発性嚢胞腎 多発性嚢胞腎 (PKD) 多発性嚢胞腎は、両方の腎臓に液体で満たされた袋状の病変(嚢胞)が多数形成される遺伝性の病気です。そのため腎臓が大きくなりますが、機能している腎組織は減少します。 多発性嚢胞腎は遺伝によって受け継がれた遺伝子異常によって引き起こされます。 症状が軽いために病気の存在に気づかない場合もありますが、わき腹(側腹部)の痛み、... さらに読む という病気の場合もあります。肝臓は腫大しますが、通常は良好な機能を維持します。

さらなる情報

役立つ可能性がある英語の資料を以下に示します。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

  • 米国がん協会(American Cancer Society):症状、診断、病期分類、生存率を含めて肝臓がんに関する包括的な情報を提供しています。

  • 米国肝臓財団(American Liver Foundation):肝臓の病気と健康のあらゆる側面について概要を示す地域教育プログラムを主催しています。また、サポートグループへのアクセス、医師を見つけるための情報、および臨床試験に参加する機会も提供しています。

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