メルクマニュアル家庭版
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尿道の損傷

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尿道の損傷の一般的な原因としては、骨盤骨折や、男性の場合には何かにまたがったために起こる損傷があります。また、尿道への外科的な処置の実施中や、膀胱カテーテル法や膀胱鏡検査など尿道に器具を挿入して行う処置中に偶発的に起こることもあります。まれに、異物を直接尿道に挿入して自ら招く尿道損傷もあります。

尿道損傷の中には挫傷だけのものもありますが、尿道内部が引き裂かれ、陰茎、陰嚢(いんのう)、腹壁、会陰(えいん:肛門と外陰または陰嚢の間の部分)などの組織に尿が漏出することもあります。

症状と診断

尿道損傷の症状としては、男性の場合は陰茎先端、女性の場合は外陰部の尿道開口部への血液の付着、血液が混じった尿、排尿困難などがよくみられます。合併症を併発すると他の症状が現れます。尿が周辺組織に漏出すると、感染が起こって発熱などの症状が生じます。時間とともに、損傷部位やその周辺で尿道が狭窄します。外科処置中に損傷が生じた場合には、尿が漏れ出てしまう尿失禁が起こることもあります。男性では陰茎に通じる神経や血管の損傷により、勃起(ぼっき)の能力が損なわれる勃起機能不全が起こることもあります。

尿道損傷を治療せずに放置すると、尿道狭窄、長びく感染、尿失禁、勃起機能不全などの合併症が生じます。

尿道損傷の診断は通常、逆行性尿道造影(造影剤を尿道に直接注入してX線撮影を行う検査)を行って確定します。

治療

尿道の損傷が挫傷にとどまり尿の漏出を引き起こしていない場合は、カテーテルを尿道から膀胱に入れ、数日の間カテーテルから尿を排出させている間に、尿道は自然に回復します。尿道に裂傷がある場合は、下腹部の皮膚から膀胱にカテーテルを直接入れて尿路を変更する必要があります。尿道の外科的な修復は、他の損傷がすべて治るか、少なくとも8〜12週間して炎症が治まってから行います。

治療は尿道損傷の合併症の予防に効果があります。予防しても合併症を防げなかった場合には、その治療が必要です。

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