ビタミンB6は多くの食品に含まれますが、長時間の調理によって失われることがあります。
患者には、けいれん発作、うろこ状の発疹、赤い舌、口の端のひび割れ、手足の針で刺したような感覚がみられることがあります。
診断は、症状、可能性のある原因があること、ビタミンB6のサプリメントに反応することに基づいて下されます。
この欠乏症は、ビタミンB6のサプリメントを経口投与することで改善できます。
ビタミンB6(ピリドキシン)は、 炭水化物 炭水化物、タンパク質、脂肪 炭水化物、タンパク質、および脂肪は、食物に含まれている主要な多量栄養素(毎日大量に必要とされる栄養素)です。食物の乾燥重量の90%を占め、食物のエネルギーの100%を供給しています。3つともエネルギー(単位はカロリー)を供給しますが、1グラム当たりのエネルギーの量は次のように異なります。 炭水化物とタンパク質は1グラムにつき4キロカロリー 脂肪は1グラムにつき9キロカロリー これらの栄養素はエネルギーを供給する速度も異なります。最も速い... さらに読む と アミノ酸 タンパク質 炭水化物、タンパク質、および脂肪は、食物に含まれている主要な多量栄養素(毎日大量に必要とされる栄養素)です。食物の乾燥重量の90%を占め、食物のエネルギーの100%を供給しています。3つともエネルギー(単位はカロリー)を供給しますが、1グラム当たりのエネルギーの量は次のように異なります。 炭水化物とタンパク質は1グラムにつき4キロカロリー 脂肪は1グラムにつき9キロカロリー これらの栄養素はエネルギーを供給する速度も異なります。最も速い... さらに読む 、 脂肪 脂肪 炭水化物、タンパク質、および脂肪は、食物に含まれている主要な多量栄養素(毎日大量に必要とされる栄養素)です。食物の乾燥重量の90%を占め、食物のエネルギーの100%を供給しています。3つともエネルギー(単位はカロリー)を供給しますが、1グラム当たりのエネルギーの量は次のように異なります。 炭水化物とタンパク質は1グラムにつき4キロカロリー 脂肪は1グラムにつき9キロカロリー これらの栄養素はエネルギーを供給する速度も異なります。最も速い... さらに読む (脂質)の処理(代謝)のほか、正常な神経機能、赤血球の形成に必要不可欠です。皮膚を健康に保つのにも役立ちます。(ビタミンの概要 ビタミンの概要 ビタミンは健康的な食事に不可欠です。ほとんどのビタミンについて、健康な人の大半が健康を維持するのに必要な1日当たりの量を表した推奨量(RDA)が設定されています。一部のビタミンには、安全な上限量(耐容上限量)が決められています。この上限を超えて摂取すると、有害な影響(毒性)が出るリスクが高まります。... さらに読む も参照のこと。)
乾燥酵母、レバーなどの内臓肉、全粒粉シリアル、魚、豆類などには、ビタミンB6が豊富に含まれています。
ビタミンB6欠乏症の原因
ビタミンB6は多くの食品に含まれているため、摂取不足による欠乏症が起こることは、重度の栄養障害の場合以外ではまれです。しかし、長時間の調理により食品からビタミンB6が取り除かれてしまったために欠乏症が起こることもあります。
多くの場合、ビタミンB6欠乏症は次のことから起こります。
体に蓄えられているビタミンB6を使い果たす薬の使用
このような作用をもつ薬には、 抗てんかん薬 抗てんかん薬 けいれん性疾患では、脳の電気的活動に周期的な異常が生じることで、一時的に脳の機能障害が引き起こされます。 多くの人では、けいれん発作が始まる直前に感覚の異常がみられます。 コントロールできないふるえや意識消失が起こる場合もありますが、単に動きが止まったり、何が起こっているか分からなくなったりするだけにとどまる場合もあります。... さらに読む 、抗菌薬のイソニアジド(結核の治療薬)、降圧薬のヒドララジン(高血圧の治療薬)、 コルチコステロイド コルチコステロイドの使用法と副作用 、ペニシラミン(関節リウマチ 関節リウマチ(RA) 関節リウマチは炎症性関節炎の1つで、関節(普通は手足の関節を含む)が炎症を起こし、その結果、関節に腫れと痛みが生じ、しばしば関節が破壊されます。 免疫の働きによって、関節と結合組織に損傷が生じます。 関節(典型的には腕や脚の小さな関節)が痛くなり、起床時やしばらく動かずにいた後に、60分以上持続するこわばりがみられます。 発熱、筋力低下、他の臓器の損傷が起こることもあります。... さらに読む や ウィルソン病 ウィルソン病 ウィルソン病はまれな遺伝性疾患で、肝臓が正常時のように余分な銅を胆汁中に排泄せず、結果として肝臓に銅が蓄積して肝臓が損傷します。 銅は肝臓、脳、眼やその他の臓器に蓄積します。 ウィルソン病の患者では、振戦(ふるえ)、発語困難、嚥下(えんげ)困難、協調運動障害、人格変化、肝炎がみられることがあります。 血液検査と眼の診察が診断の確定に役立ちます。 患者は、銅を除去するために薬を服用する必要があり、その後生涯にわたって銅の含有量が高い食品を... さらに読む などの治療薬)があります。
ビタミンB6欠乏症は、重度のタンパク質とカロリーの欠乏症の人によくみられます(タンパク-エネルギー低栄養 タンパク質-エネルギー低栄養 低栄養とは、カロリーまたは1つ以上の必須栄養素が不足している状態です。 低栄養は、食べものを手に入れたり調理したりできない、食べものを食べたり吸収したりしにくくなる病気がある、またはカロリーの必要量が大幅に増えているということが原因で発生することがあります。 低栄養は、多くの場合、見た目にも明らかです。低体重で、しばしば骨が突き出ており、... さらに読む )。 タンパク質-エネルギー低栄養 タンパク質-エネルギー低栄養 低栄養とは、カロリーまたは1つ以上の必須栄養素が不足している状態です。 低栄養は、食べものを手に入れたり調理したりできない、食べものを食べたり吸収したりしにくくなる病気がある、またはカロリーの必要量が大幅に増えているということが原因で発生することがあります。 低栄養は、多くの場合、見た目にも明らかです。低体重で、しばしば骨が突き出ており、... さらに読む がみられる人は、ビタミンB6の摂取が不足しています。
ビタミンB6欠乏症の症状
成人の場合は、ビタミンB6欠乏症は皮膚炎や、赤く油っぽいうろこ状の発疹が起こることがあります。手足がしびれて、ピンや針で刺されるようなチクチクした感覚が生じることがあります。舌がヒリヒリして赤くなり、口の端にひび割れができることがあります。錯乱や易怒性が生じる場合もあります。けいれん発作が起こることがあります。
まれに、乳児でビタミンB6欠乏症によるけいれん発作が起こることがあります。こうした乳児のけいれん発作に対する治療では、抗てんかん薬が効かないことがあります。
ビタミンB6は赤血球の形成に必要なため、欠乏症になると 貧血 ビタミン欠乏性貧血 ビタミン欠乏性貧血は、ビタミンB12や葉酸の不足または欠乏が原因です。 脱力感や息切れを覚えたり、顔色が青白くなったりすることがあります。 神経が機能不全を起こすことがあります。 血液検査でビタミン欠乏性貧血を示す異常細胞が認められることがあります。 不足しているビタミンを補給します。 さらに読む を起こすこともあります。
ビタミンB6欠乏症の診断
病歴と身体診察
ビタミンB6のサプリメントに反応する
ビタミンB6欠乏症の診断は、症状、欠乏症の原因となる条件があること、ビタミンB6のサプリメントに反応することに基づいて下されます。
血液検査が行われることがありますが、血液検査では診断をはっきり確定できません。
ビタミンB6欠乏症の治療
原因の改善
ビタミンB6のサプリメント
ビタミンB6欠乏症の原因を可能な限り改善します。
ビタミンB6欠乏症があるか、体内に蓄えられているビタミンB6を使い果たす薬を服用している場合は、ビタミンB6のサプリメントを経口摂取するべきです。成人の欠乏症の場合、通常はビタミンB6のサプリメントを摂取することで改善します。