メルクマニュアル家庭版
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ディ・ジョージ症候群

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ディ・ジョージ症候群は、誕生時に胸腺がまったくないか、あっても未発達な状態が原因で起こる先天性免疫不全疾患です。

ディ・ジョージ症候群は、染色体異常のために起こる病気ですが、通常は遺伝性ではありません。胎児が正常に発育せず心臓、副甲状腺、顔面、胸腺に異常が起こります。胸腺は、Tリンパ球の正常な発達に必要なものです。したがって、この病気では、Tリンパ球の数が少なく感染症と闘う能力が十分にありません。誕生後まもなく感染症にかかり、再発を繰り返します。しかし、免疫システムがどの程度影響を受けているかは、患者によってさまざまです。

ディ・ジョージ症候群の患児には、先天性心疾患や独特な顔つき、たとえば耳の位置が低い、小さく後退したあご、間隔の開いた眼など、免疫不全に関係のない特徴があります。また、血液中のカルシウム値をコントロールする副甲状腺が生まれつきありません。その結果、カルシウム値の低下が起こり、筋肉のけいれん(強直)が引き起こされます。

こうした患児たちも、ある程度のTリンパ球をもっていれば、治療しなくても免疫システムは十分に機能します。ただし、感染症にかかったらただちに治療します。Tリンパ球がごくわずかか、まったくない場合は、幹細胞や胸腺組織の移植で免疫不全を治せます。

筋肉のけいれんを防ぐには、カルシウムを補給して低カルシウム値を治します。免疫不全よりも心疾患の方が重症であることもあり、重症の心不全や死亡を防ぐため、手術が必要となります。その後の経過は心疾患の程度によります。

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