メルクマニュアル家庭版
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スポロトリクム症

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スポロトリクム症は、スポロトリクス‐シェンキィという真菌による感染症です。

この真菌はバラやメギの茂み、ミズゴケ、敷きわらなどで繁殖し、農業従事者、植木屋、園芸家などが感染するケースがほとんどです。小さな刺し傷などから侵入します。

主に皮膚や付近のリンパ管に感染し、非常にまれですが、骨、関節、肺などの組織に感染することもあります。

症状と診断

皮膚の感染症では、最初に指に小さな硬いこぶ(結節)ができ、徐々に大きくなり、潰瘍になります。その後、数日から数週間かけて、感染症はリンパ管を通って指から手、腕、リンパ節へと、結節と潰瘍を生じながら広がっていきます。この段階になっても、痛みはほとんどなく、他の症状もありません。

肺に感染すると肺炎になり、軽い胸痛とせきが出ます。肺への感染症は、肺気腫など別の病気をもっている人に多くみられます。関節に感染すると腫れて、動かすときに痛みます。まれに、他の部位への感染症がみられます。

特有の小さな結節と潰瘍がある場合、医師はスポロトリクム症を疑います。診断は、感染組織のサンプルを採取して培養し、スポロトリクス‐シェンキィを検出して確定します。

経過の見通しと治療

皮膚のスポロトリクム症の進行はたいへん遅く、命にかかわることはめったにありません。治療にはイトラコナゾールを服用します。ヨウ化カリウムが代わりに使用されることがありますが、効果が劣る上、発疹や鼻水、眼、口、のどの炎症などの副作用もあります。肺と骨の感染症もイトラコナゾールで治療します。命にかかわる全身性の感染症には、アムホテリシンBを静脈注射します。

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