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ハンタウイルス感染症

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ハンタウイルス感染症はげっ歯類を通して人に広がるウイルス性の病気で、肺と腎臓に重度の感染症を起こします。

ハンタウイルスは世界中のさまざまなげっ歯類の尿、糞(ふん)、唾液(だえき)に存在します。人はげっ歯類やその排泄物と接触したり、げっ歯類の排泄物が大量にある場所で、ウイルスの粒子を吸いこんだりして感染を起こします。人から人への感染は確認されていません。

ハンタウイルスには5つの株があり、種類によって体の異なる部分に症状が出ます。最近では米国南西部で、肺を侵すハンタウイルス株による感染症が発生しました。

ハンタウイルス感染症の症状は、発熱と筋肉痛から始まります。腹痛、下痢、嘔吐が起こることもあります。その他の症状はハンタウイルスの株によって異なります。肺を侵された人の場合、4〜5日後にせきと息切れが生じ、数時間以内に重症になります。肺の感染症では死亡することもあります。他のウイルス株は主に腎臓を侵します。腎臓の感染症では、発熱、頭痛、腰痛、腹痛、発疹、極度の血圧低下によるショックが起こり、尿も出なくなります(無尿症)。腎臓感染症の症状が軽い場合は完全に回復しますが、重症の場合は5%が死に至ります。

治療は対症療法が中心になります。酸素補給と血圧を安定させるための治療が回復には最も重要です。腎臓の障害には人工透析が必要で、これにより一命を取り留めることもあります。

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