メルクマニュアル家庭版
印刷用画面

セクション

はじめに

-
-

性感染症(性病)は性的接触によって人から人へ感染する病気です。

性行為では、親密な接触をするので、生物が人から人へ広がる格好の機会となります。さまざまな感染性微生物が性的接触によって感染を広めます。細菌による性感染症(STD)には、梅毒、淋菌感染症、非淋菌性尿道炎、クラミジア子宮頸管炎、性病性リンパ肉芽腫、軟性下疳(なんせいげかん)、鼠径部(そけいぶ)肉芽腫、トリコモナス症があります。ウイルスによるSTDには、性器いぼ、陰部ヘルペス(ウイルスによる感染症: 単純ヘルペスウイルス感染症を参照)、伝染性軟属腫(ウイルス性皮膚感染症: 伝染性軟属腫を参照)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症またはエイズ(ヒト免疫不全ウイルス感染症を参照)があります。

STDは、感染症の中で最もよくみられる種類のものです。米国では毎年300万人以上が淋菌感染症かクラミジアに感染していると推測され、これらは米国の2大性病となっています。

たいていの場合、感染したパートナーとの腟(ちつ)、口、または肛門を介した性交によりSTDは起こりますが、必ずしも性器の挿入により感染するわけではなく、キスや体と体の濃密な接触によってもうつるものがあります。また、STDの原因微生物の中には、HIVや肝炎ウイルスのように、出産時や母乳を介して母から子に感染したり、汚染された食品、水、血液、医療器具、注射針などを介して感染するものなど、性行為以外の方法でうつるものもあります。

たいていの場合、細菌が引き起こすSTDには有効な薬がありますが、多くの新しい抗生物質耐性株が広がりつつあります。ウイルスによるSTD、特にヘルペスとHIVは生涯にわたって持続し、有効な治療法はあるものの、今のところ根治は望めません。

コンドームの正しい使用法

  • 性行為のたびに新しいコンドームを使う。
  • 正しいサイズのコンドームを使う。
  • 爪や歯などとがったもので穴を開けないよう注意して取り扱う。
  • 勃起後、パートナーと性器が触れ合う前に装着する。
  • コンドームをまるめ、勃起した陰茎の先端に載せる。
  • 精液をためるすき間として、コンドームの先端を1〜2センチメートルほど残しておく。
  • 片手でコンドームの先端に残った空気を押し出す。
  • 割礼をしていない場合は、コンドームを巻き下ろす前に包皮を引き下ろしておく。
  • もう一方の手でコンドームを陰茎の根元まで巻き下ろし、気泡があれば押し出して密着させる。
  • 性交中、潤滑が十分であることを確認する。
  • ラテックス製コンドームの場合は、必ず水性の潤滑剤を使用する。油性潤滑剤(ワセリン、ショートニング、鉱物油、マッサージオイル、ボディーローション、調理油)はラテックスの劣化を招き、コンドームの破損につながる。
  • 引き抜く際は陰茎の根元でコンドームをしっかり押さえ、漏れないようまだ勃起している間に腟から陰茎を引き抜く。

STDの予防や感染拡大の防止には、安全な性行為を心がけることと、早期に診断と治療を受けることが大切です。STDのまん延を防ぐにはどうすればよいか、特にコンドームの正しい使い方についての知識も重要です。

STDの拡大を防ぐための対策の1つに、接触者の追跡があります。感染者と性的接触のあった人をすべて追跡し、治療を試みるという方法です。治療が終わったら、治癒を確認するために再度検査を行います。

性行為により感染する病気

  • アメーバ症
  • カンピロバクター症
  • ケジラミ寄生症
  • サイトメガロウイルス感染症
  • ジアルジア症
  • A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎
  • サルモネラ症
  • 疥癬(かいせん)
  • 細菌性赤痢

個人情報の取扱いご利用条件