メルクマニュアル家庭版
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性器いぼ

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尖形コンジロームと呼ばれる性器いぼは、性行為で感染するパピローマウイルスによって腟、陰茎、肛門やその周囲に発生します。

性器いぼはよくみられるもので、米国では年間50万人が発症すると推定されています。性的に活発な若い女性の20〜46%が、これらのいぼを生じるウイルス感染の1つは経験しています。いぼの位置によっては、コンドームで感染を防御できないこともあります。

性器いぼは、パピローマウイルスのうち、あるタイプのものが起こすいぼです。他のタイプのパピローマウイルスは、やはり体の他の部位にいぼをつくります。パピローマウイルスのうち数種類のタイプが生殖器に感染しますが、全部がよく見えるところにだけ性器いぼをつくるとは限りません。ある種類は、子宮頸部にクルドスコープと呼ばれる内視鏡でしか観察できないようなごく小さな隆起をつくります。このような見えにくいところにできる斑点は症状がないことが多いのですが、原因となるパピローマウイルスは子宮頸癌の発症リスクを高めるので、治療する必要があります(女性生殖器の癌: 子宮頸癌を参照)。

症状と診断

性器いぼは、体の表面の温かく湿った所にできます。男性では陰茎の上、特に包皮の下(切開されていない場合)にできやすく、女性では、外陰部、腟壁、子宮頸部、腟周辺の皮膚によくできます。肛門性交を行う人では特に、肛門の周囲や直腸の中にもできます。いぼによる症状はないことが多いですが、ときどき焼けるような痛みが出る人もいます。

いぼは通常、パピローマウイルスに感染してから1〜6カ月後に現れますが、初めは軟らかく湿った小さなふくらみができ、ピンクまたは赤色をしています。これらは急速に大きくなり、表面はでこぼこで不規則になり、細い茎の上にのって皮膚から伸びてくることもあります。いぼは同じところに多発することが多く、表面がでこぼこしているので小さなカリフラワーのようにみえます。妊婦、免疫機能が低下している人(たとえば、エイズ患者や免疫抑制薬を使用している人)、皮膚に炎症がある人では、いぼの成長が非常に早くなります。

性器いぼは普通、その外観から診断できます。通常と異なる外観のいぼや治りの悪いいぼは外科的に切除し、顕微鏡で調べて癌によるものでないことを確かめます。子宮頸部にいぼがある女性は、定期的にパパニコロー(パップスメア)検査(子宮頸部の細胞診)を行い、癌を早期の段階で発見することが非常に重要です。

治療

多くの人の場合、最終的には免疫システムがパピローマウイルスをコントロールします。8カ月もすれば、半数の人で感染はなくなります。2年以上感染が続くのは10%以下です。

完全に満足できるような治療法はなく、治療法のあるものは不快であったり、瘢痕を残したりします。体の外側にできたいぼは、レーザー、凍結療法、局所麻酔による外科手術で取り除きます。ポドフィロトキシン、イミキモド、トリクロロ酢酸を直接いぼに塗布することもありますが、この方法は数週間から数カ月にわたって何回も塗布する必要があり、周りの皮膚がやけどしたり、治療に失敗することも少なくありません。イミキモドのクリームは、やけどを生じることは少ない一方、効果も弱くなります。外見上は治療に成功したようにみえても、いぼがまた出てくることもあります。

尿道のいぼは内視鏡切除術(先端に手術用の器具がついた柔軟な観察用チューブを使う処置法)で除去します。切除後に化学療法薬である5‐フルオロウラシルを注射することもあります。インターフェロンアルファのいぼへの注射もある程度効果はありますが、何週間にもわたって週に数回ずつ行う必要があり、非常に高価な治療になります。

割礼を受けていない男性の場合、包皮切除術を行うと再発を防げることがあります。セックスパートナー全員が、いぼや他の性感染症についての検査を受け、必要があれば治療することが大切です。

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