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扁平苔癬

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扁平苔癬(へんぺいたいせん)とは再発性のかゆみを伴う皮膚の病気です。症状としては小さい、赤か紫の隆起した皮疹ができますが、最初には皮疹は1つずつ離れています。その後複数の発疹が融合して、ザラザラした、うろこ状のかさつきを伴う丘疹になります。

扁平苔癬の原因はわかっていませんが、薬(特に金、ビスマス、ヒ素、キニーネ、キニジン、キナクリン)や化学物質(特にカラー写真の現像に使われる物質)に対する自己免疫反応や、感染性生物が原因ではないかと考えられます。この病気は感染しません。

症状

扁平苔癬の皮疹はほとんどの場合かゆみを伴い、かなりひどいかゆみになることもあります。隆起した皮疹は紫色をしており、正常な皮膚との境目に傾斜がついています。横から光をあてると、この隆起には独特の光沢がみられます。皮膚をかいたり、皮膚に軽いけがをしたりすると新しい皮疹ができます。皮疹が治った後も、その部分の色が変化して皮膚に残ることがあります。

写真

扁平苔癬

扁平苔癬

皮疹は多くの場合、体の両側に均等にできます。発疹ができやすいのは、胴体、手首の内側、脚、亀頭、腟の中です。この病気の患者の約半数は、口の中にただれができます。顔に皮疹が出ることはあまりありません。脚にできた発疹は、特に大きく厚くなり、うろこ状のかさつきを伴います。皮疹が頭皮にできると、部分的に脱毛してしまうことがあります。

口の中に扁平苔癬ができた場合、線状に並んだ、青みがかった白い皮疹になります。これは痛まないので、口の中にできていると気づかないこともあります。口の中にただれができて痛むことがありますが、そうなるとものを食べたり飲んだりするのに差し支えます。

経過の見通しと治療

扁平苔癬は普通1〜2年後には消えますが、さらに長びく例もあり、特に口の中にできた場合は長びきます。患者の20%で再発します。皮疹ができている間、長期の治療が必要となります。皮疹ができていない時期には特に治療は必要ありません。口にただれができた場合、わずかですが口腔癌のリスクが高くなります。皮疹が癌化することはありません。

扁平苔癬の原因になりうる薬、化学物質の使用は避けます。かゆみ対策には標準的な治療を行います。ステロイド薬を使うこともあり、発疹への注射、皮膚への塗布、経口での服用で摂取します(皮膚のかゆみと非感染性の発疹: 治療を参照)。アシトレチン、シクロスポリンと併用する場合もあります。ソラレン(皮膚が紫外線により敏感に反応するようにする薬剤)を併用した光線療法(紫外線を皮膚に照射する治療法)も効果があります。この治療法はPUVA療法と呼ばれています。痛みを伴う口内のただれには、食事の前に麻酔薬であるリドカインを含んだ口洗液で口をゆすぎ、痛みを抑える膜をつくります。

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