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扁桃蜂巣炎と扁桃膿瘍

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扁桃蜂巣炎(へんとうほうそうえん)は扁桃の回りの組織が細菌の感染により炎症を起こした状態で、扁桃膿瘍(へんとうのうよう)は扁桃の部分に膿(うみ)がたまった状態です。

細菌(主にレンサ球菌)がのどに感染し、周囲の組織の深い所まで広がった状態を、蜂巣炎といいます。これを放置しておくと膿がたまり、扁桃周囲やのどの側方にある副咽頭に膿瘍ができます。膿瘍は小児にも発生しますが、成人の若年層に多くみられます。

症状

扁桃に蜂巣炎や膿瘍があると、ものを飲みこむときに激しい痛みが生じます。全身の不調感や発熱がみられ、痛みを和らげるために膿瘍のある側に頭を傾けることもあります。咀嚼筋(そしゃくきん)のけいれんによって、口を開けにくくなる開口障害が起こります。蜂巣炎では扁桃上部と軟口蓋が全体に赤く腫れます。扁桃は膿瘍によって前方に押し出され、また口蓋垂(のどの奥に垂れ下がった軟らかい小器官)も腫れて、膿瘍の反対側に押し出されます。

診断と治療

扁桃の蜂巣炎や膿瘍は、のどの奥を見れば診断がつきます。通常は検査は不要ですが、膿瘍の有無がはっきりしない場合はCT検査を行います。膿瘍が疑われる場合、患部に注射針を刺して膿が出るかどうかを調べることもあります。

ペニシリンやクリンダマイシンなどの抗生物質を静脈から投与します。膿瘍がなければ、抗生物質は24〜48時間で効きはじめます。膿瘍がある場合は針で内容物を吸引するか、切開して排膿する必要があります。患部にはあらかじめ、麻酔薬のスプレー剤または注射によって麻酔をかけておきます。その後、抗生物質の内服による治療を続けます。

扁桃周囲膿瘍は再発しやすく、再発を防ぐには手術で扁桃を切除します(耳、鼻、のどの病気: 診断と治療を参照)。扁桃の切除は通常、感染が治まってから4〜6週間後に行いますが、抗生物質で感染をうまく抑えられない場合は、それよりも早い時期に行います。

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