メルクマニュアル家庭版
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喉頭蓋炎

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喉頭蓋炎(こうとうがいえん)は、喉頭蓋が細菌の感染により炎症を起こした状態です。

喉頭蓋は硬い組織でできた小さなふた状の器官で、ものを飲みこむときに喉頭と気管の入り口をふさぐ役割を果たしています。喉頭蓋はときに、細菌(主にインフルエンザ菌)に感染して喉頭蓋炎を起こします。小児に多くみられる病気ですが、最近ではインフルエンザ菌ワクチンの予防接種によって減少傾向にあります(訳注:日本ではインフルエンザ菌に対するワクチンは使用されていません)。感染によって喉頭蓋が腫れると気道がふさがって呼吸困難を起こし、死亡することもあります。小児の気道は成人よりも狭いため、小児にとって喉頭蓋炎は危険な病気です(細菌感染症: 喉頭蓋炎を参照)。

のどの激しい痛み、発熱、声がこもったようになるといった症状がみられます。感染部位は喉頭蓋なので、多くの場合、診察時にのどの奥を観察しただけでは感染の徴候はみられません。喉頭蓋が腫れてくると気道が狭くなるため、初めのうちは息を吸うときにゼーゼー、ヒューヒューといった音(喘鳴[ぜんめい])が生じ、やがて呼吸困難が悪化していきます。この状態は急速に進行します。

診断は患者の症状に基づいて行われます。呼吸困難がなければ、喉頭鏡でのどの状態を調べるか、X線検査で喉頭蓋の腫れの有無を確認します。内視鏡(細長く柔軟なチューブ状の観察装置)を鼻から通してのどを調べる場合もあります(鼻咽頭内視鏡検査)。

呼吸困難がない場合は、抗生物質を投与し集中治療室で注意深く経過を観察します。呼吸困難がある場合は、プラスチック製の気管内チューブを口または鼻から気管へ挿入します。気管内挿管と呼ばれるこの処置によって、気道が腫れてふさがってしまうのを防ぎます。気道の腫れが激しく気管内にチューブがうまく入らない場合は、首の前面を切開してチューブを気管へ直接挿入します。この方法を気管切開または輪状甲状膜切開といいます。

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