メルクマニュアル家庭版
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扁桃癌

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扁桃癌は、男性に圧倒的に多くみられ、喫煙や飲酒との関連性が高い病気とされています。扁桃癌はしばしば首のリンパ節に転移します。年齢的には50〜70歳の人に最も多くみられます。

のどの痛みがしばしば最初の症状として現れます。痛みは通常、癌ができた側の耳の痛みとして感じられます(放散痛)。ときに、癌がリンパ節に転移して首にしこりが生じ、他の症状より先にそのしこりに気づくこともあります。扁桃の生検を行って診断します。喉頭、気管支、食道といった部位にも癌が存在している危険性が高いため(最大10%)、喉頭鏡検査、気管支鏡検査、食道鏡検査なども行われます。

放射線療法と手術による治療が典型的です。ある種の化学療法を放射線療法と組み合わせる方法も同等の効果があります。手術では、腫瘍と首のリンパ節を取り除くほか、あごの一部も切除します。腫瘍の切除後に行われる再建手術には著しい進歩がみられ、機能と外観の両面からみて以前よりもかなり良好な結果が得られるようになっています。診断から5年後の生存率はおよそ50%ですが、実際の生存年数は治療時点での病期によって異なります。

首にしこりが見つかったら

ほかの症状は特にないのに、首に異常なしこりや腫れが見つかる場合があります。その大部分はリンパ節が大きくなったもので、のどなどの周辺器官の感染が原因です。しかし、癌ができたためにリンパ節が大きくなることもあります。リンパ節自体が癌になるリンパ腫の場合と、他の部分から癌がリンパ節へ転移した場合があります。首のリンパ節は、全身各所から癌が転移しやすい部位です。痛みのないしこりは悪性の病変であるおそれもあり、痛みのあるものより心配です。しこりが数日たっても消えない場合は、医師の診察を受ける必要があります。

医師はまず、耳、鼻、咽頭、喉頭、扁桃、舌の付け根、甲状腺、唾液腺を診察します。鏡または内視鏡によるのどの観察も行います。明らかな感染源や癌が視診で認められない場合は、さらに検査をする必要があります。たいていはまず、肥大したリンパ節の針生検を実施しますが、頭頸部(頭と首)のCT検査やMRI検査を行う場合もあります。小児では、首のしこりや腫れは感染によるものが多いので、まず抗生物質を投与してみます。体の他の部位にある癌を探すには、上部消化管のX線検査、甲状腺スキャン、胸部CT検査を行います。喉頭鏡検査、気管支鏡検査、食道鏡検査が必要な場合もあります。

首のリンパ節のしこりに癌細胞が認められ、それ以外の部位には癌の徴候がない場合には、癌細胞が見つかったリンパ節を、首にある他のリンパ節や脂肪組織とともに完全に摘出します。腫瘍が大きい場合には、内頸静脈を付近の筋肉や神経と一緒に摘出することもあります。放射線療法もよく行われます。

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