メルクマニュアル家庭版
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腟けいれん

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腟けいれん(腟けい)とは、腟口周囲の筋肉が不随意に収縮して、性交時に痛みを感じたり性交ができなくなったりする状態をいいます。

腟けいれんは、性交を望まない気持ちが無意識にあると生じることがあります。たとえば、過去に性交で経験した痛みが腟けいれんの原因となっている場合があります。このほか妊娠、パートナーに支配されること、自制が利かなくなることなどに対する恐れなどが、性交を望まない気持ちにつながります。また、骨盤内の感染、腟口の傷あと(けが、出産、手術などによるもの)などの身体的な問題が腟けいれんを引き起こしていることもあります。腟洗浄、殺精子剤、コンドームのラテックスなどによる刺激も腟けいれんの原因となることがあります。

腟けいれんの痛みのため、性交(腟にペニスを挿入する行為)に耐えられない女性もいますが、こうした女性でもペニスの挿入を伴わない性行為であれば楽しめることがあります。生理用タンポンの挿入にさえ耐えられないような場合もあり、こうした人では内診の際に麻酔が必要となります。

診断と治療

腟けいれんは、患者による症状の説明、病歴、内診の所見や内診の際の反応などに基づいて診断されます。

身体的疾患が腟けいれんの原因となっている場合はその治療を行います。原因が精神的なものである場合は、患者とそのパートナーに対するカウンセリングが問題解決に役立ちます。

腟けいれんが続く場合は、筋肉のけいれんを緩和させる方法の指導を受けます。これは、潤滑剤を塗ったプラスチック製の棒(拡張器)を自分で腟に挿入し、腟を徐々に広げていくという方法です。初めは細い拡張器を使用し、楽に挿入できるようになったら徐々に太いものに変えていきます。十分な太さの拡張器を入れていても不快感を感じないようになったら、改めてパートナーとの性交を試みます。

この拡張器を挿入した状態で、骨盤部の筋肉を強化するケーゲル体操を行うと効果的な場合があります。ケーゲル体操は、排尿を途中で止めるときのように、腟、尿道、直腸の周りの筋肉を引き締めたりゆるめたりする動作を10〜20回繰り返すというものです。これを1日に数セット行います。この体操により、不随意に収縮していた筋肉をコントロールする感覚を身につけることができます。

骨盤底筋を鍛えるケーゲル体操

ケーゲル体操は腟、尿道、直腸周囲の筋肉をはじめとする骨盤底筋群を強化するトレーニング法です。この体操を定期的に行うことにより性機能が向上し、尿失禁や便失禁の予防や軽減にもつながります。

まず、尿を途中で止めるときに使う筋肉に力を入れて引き締め、約10秒間そのままにします。次に約10秒間力を抜いてゆるめます。これを10〜20回繰り返すのを1セットとし、1日に3セット以上行います。2〜3カ月で筋力がついてきます。ケーゲル体操は座っていても、立っていても、横になっていてもできます。

正しい筋肉に力が入っているかどうかを確認するには、腟に指を入れて筋肉を引き締めたり、排尿を途中で止めたりしてみます。指に圧力がかかったり尿が止まれば、正しい筋肉を使っていることになります。

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