メルクマニュアル家庭版
印刷用画面

セクション

外陰痛

-
-

外陰痛は、外性器を含む外陰部の慢性的な不快症状です。

外陰痛は突然に発症し、慢性化して数カ月から数年にわたり持続します。原因はわかっていません。外陰部につながる神経に、たとえば凍結療法やレーザー療法などで、刺激や損傷が生じることで引き起こされると考えられています。外陰痛は、感染症(特に真菌感染症や性感染症)、皮膚病、糖尿病、前癌状態、癌、骨盤内臓器を支える筋肉のけいれんがあると発症しやすい傾向があります。ある種の物質(せっけん、女性用衛生スプレー、生理用ナプキン、洗濯用洗剤、合成繊維など)により外陰部にアレルギー反応や刺激が生じると、外陰痛が生じやすくなります。ホルモンの変化が起きている女性や、過去に性的虐待を受けた女性も外陰痛を生じる可能性が高くなります。緑色野菜、チョコレート、ベリー類、豆類、ナッツ類などを食べた後の尿は刺激を生じやすいことがあります。

外陰部には焼けつくような痛みや刺すような痛みが生じます。ヒリヒリ感や刺激感、強い痛みがあることもあります。痛みは軽いものから体が衰弱するほどの激しい痛みまであり、持続的な場合もあれば断続的な場合もあります。痛みのために身体活動や性行為が限られるなど、日常生活に支障が出ることもあります。歩く、座るなどの動作に不快感を伴うこともあります。外陰部の外見は赤く腫れることもあれば正常にみえることもあります。

外陰痛は、同様の症状を起こす他の病気の可能性を除外することで診断されます。治療の目的は症状の緩和です。刺激になりそうなものは避けるようにします。木綿の下着を使用することで患部の刺激を低減できることがあります。パンティストッキングなど、体に密着し動きを制限するような衣服は避けます。尿の刺激性を増すような食物も避けるようにします。骨盤部の筋肉を強化する運動、バイオフィードバック、リラクセーションなどの理学療法や、支援団体による助力も役立ちます。

リドカインのゼリー剤などの局所麻酔薬で痛みを軽減できることもあります。また、局所用のコルチコステロイドを1日2〜3回患部にすりこむと症状が抑えられることがあります。

感染症など外陰痛に関与しうる病気があれば治療します。三環系抗うつ薬(うつ病の主な治療薬を参照)や抗けいれん薬(てんかん発作の治療に使われる主な薬を参照)で症状が和らぐ人もいます。

個人情報の取扱いご利用条件