メルクマニュアル家庭版
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避妊手術

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避妊手術とは、生殖能力をなくす目的で行われる手術です。

米国では、家族計画を行っている夫婦の約3分の1が、その方法として避妊手術を選んでいます。避妊手術は基本的に、永久的な処置です。切断した管を再びつなげる再吻合(さいふんごう)術によって生殖能力を回復できることもありますが、男性の再吻合術は女性に比べて成功率が低くなっています。再吻合術の実施後にカップルが妊娠する割合は、男性の手術では45〜60%ですが、女性の手術では50〜80%です。

精管切除術は俗に「パイプカット」ともいい、男性の避妊手術として行われます。精管(精巣から精子を運ぶ管)を切除して縛る手術で、泌尿器科医が行います。所要時間は約20分で、局所麻酔だけでできるため、外来でも実施できます。陰嚢の両側を小さく切開して左右の精管の一部を切除し、切った端を縛ります。手術後もしばらくは他の避妊法を続ける必要があります。これは、精子は精嚢にも多数蓄えられているため、手術後に射精を15〜20回ほど行うまでは完全な不妊とはならないためです。精子が出なくなったかどうかは、射精された精液の検査により確認できます。

精管切除術の合併症には出血(5%未満)、精子の漏出による炎症反応、再開通(自然に起きたもの、1%未満)などがあり、通常は手術後すぐに起こります。男性が望めば手術直後でも性生活は可能ですが、避妊は必要です。男性がこの手術を受けた後、パートナーの女性が妊娠する割合は1%未満です。

卵管結紮(らんかんけっさつ)術は女性を不妊にする手術で、卵巣から卵子を子宮に運ぶ卵管を切断して縛ります(結紮)。精管切除術よりも複雑な手術で腹部の切開を必要とし、全身麻酔または区域麻酔で行います。出産直後の女性は、出産の当日または翌日に避妊手術を行うことができるので、普通の出産と同じ入院期間で避妊手術もできます。前もって手術日を決めておき、待期手術として行うこともあります。

女性の避妊手術は、腹腔鏡下で行われることもよくあります。腹部を小さく切開して腹腔鏡を挿入し、腹腔内を観察しながら、卵管を切除して切った端を縛るといった操作を行います。電気メス(電流により熱を生じて組織の切開や凝固を行う装置)を使って、左右の卵管をそれぞれ2〜3センチメートルほどふさぐこともあります。通常は日帰り手術が可能です。腹腔鏡手術の後は、最大6%の人で切開部の皮膚の感染や便秘などの軽い合併症がみられます。出血や、膀胱(ぼうこう)または腸の穿孔などの重大な合併症が起こる人は1%未満です。避妊手術を受けた女性が、その後10年間に妊娠する割合は約2%です。これらの妊娠のうち約3分の1が、卵管での子宮外妊娠となります。

卵管をブロックする女性の避妊手術

卵管をブロックする女性の避妊手術

左右の卵管は、卵子を卵巣から子宮へと運ぶ役割を担っています。卵管結紮術とは、精子が卵子にたどり着けないように、両側の卵管を切断したりふさいでしまう避妊手術です。

卵管を切除したり封じる代わりに、プラスチック製のバンドやばねクリップなどの器具を使用する方法もあります。こうした器具を使った場合は組織の損傷が少ないので、再吻合によって生殖能力を取り戻すことも難しくありません。それでも、再び生殖可能となるのはこうした器具を使用した女性のうち4分の3程度です。

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卵管結紮

卵管結紮

子宮を摘出すると不妊となります。この方法は避妊手術としてではなく、病気を治療するために行われます。

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