メルクマニュアル家庭版
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遺伝子検査

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遺伝子検査や遺伝子スクリーニング検査は、遺伝病をもつ子供が生まれるリスクが大きいかどうかを判定するために行われる検査で、必要な人にだけ行われます。パートナーの一方または両方に遺伝子や染色体の異常があるとわかっている場合や、家族に遺伝病またはその疑いがある人がいる場合は、カウンセリングを受けるとよいでしょう。遺伝子検査ではカップルの家族歴を調べます。特定の遺伝病について、症状はないがその病気の遺伝子をもつ保因者(キャリア)かどうかを調べることもあります(キャリア・スクリーニング)。

家族歴

子供が遺伝病をもつ可能性が高いかどうかを判定するため、家族にみられる病気や、家族の死因について質問されます。一般に、3世代にわたる情報が必要です。また、現時点で生存している親族の健康状態についても、(1)両親、兄弟姉妹、子供、(2)おじ、おば、祖父母について質問されます。流産、死産児、出生直後に死亡した子供についての情報や、親族内の近親婚、民族的背景に関する情報も判断に役立つことがあります。家族歴が複雑であれば、遠い親戚の情報も必要となる場合があります。遺伝病があったとみられる親族について、カルテなどの診療情報を調べることもあります。

キャリア・スクリーニング

キャリア・スクリーニングは特定の病気について、症状は出ていないものの、その病気の常染色体劣性遺伝子を1つと、正常な遺伝子を1つもっている可能性がある人に行われる検査です(遺伝と遺伝子: 遺伝子の異常を参照)。常染色体劣性遺伝子の異常による病気は、その遺伝子を2つもっていない限り、発病して症状が現れることはありません。特定の病気の家族歴があったり、特定の病気になるリスクが高い特徴(民族あるいは人種的背景など)がある場合には、スクリーニング検査を受けます。

スクリーニング検査は、以下の基準を満たしている場合にのみ行います。

  • その病気が非常に重いか、致死的である。
  • 信頼性の高いスクリーニング検査が実施可能である。
  • その病気の家族歴があるか、民族、人種、地域的によくみられる病気であることから、カップルの一方または両方がキャリアである可能性が高い。
  • 胎児の治療が可能であるか、生殖上の選択(中絶や避妊など)が可能でカップルがそれを受容できる。

米国では、鎌状赤血球貧血、サラセミア、テイ‐サックス病、嚢胞(のうほう)性線維症などがこの基準を満たす病気となっています。

検査では通常は血液を分析します。ほおの内側から採取した細胞を分析することもあり、特別な溶液を口の中に含み、専用の容器に吐き出してサンプルとします。カップルが2人とも同じ病気の常染色体劣性遺伝子異常を1つずつもっている場合は、子供がその病気をもって生まれてくる可能性があります。この場合は妊娠4回につき1回の割合で、子供が異常な劣性遺伝子を両親から1つずつ受け継ぐ可能性があります。

両親とも同じ病気の常染色体劣性遺伝子をもっていることがキャリア・スクリーニングでわかった場合は、出生前診断(出生前に胎児の病気を調べる検査)を受けるかどうかを選択できます。胎児に病気があった場合は、可能ならば胎児への治療を行うかどうか、あるいは妊娠を中絶すべきかどうかといった選択肢を検討します。

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