メルクマニュアル家庭版
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過期産

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過期産児とは、子宮内で42週以上たってから生まれた新生児です。

過期産は、早産に比べるとその数は多くありません。分娩予定日を過ぎても生まれない理由は、たいていの場合不明です。

分娩予定日を過ぎている胎児にとって、胎盤機能の低下は最も危険です。妊娠期の終わり近くにさしかかると、胎盤は縮みはじめます。縮むにしたがって、胎盤は胎児に適切な栄養を与えることができなくなります。足りない栄養を補うために、胎児は自分自身の脂肪と糖質を消費しはじめます。その結果、胎児の成長は遅くなり、中には体重が減少する場合もあります。胎盤がかなり縮んでしまうと、胎児に適切な量の酸素を供給できなくなり、特に陣痛の間そのような状態になります。酸素の不足は胎児仮死(出産の合併症: 胎児仮死を参照)をもたらすことがあり、極端なケースでは、胎児の脳とそのほかの臓器が損傷を受けます。胎児仮死に陥ると胎児が羊水の中に便(胎便)を排泄することがあります。また、胎児は苦痛が引き金となって深く息を吸いこむ場合があり、そうなると分娩前や分娩中に胎便の混じった羊水を肺に吸いこんでしまいます。その結果、分娩後に呼吸困難(胎便吸引症候群)になることがあります。

症状

過期産児の皮膚は乾燥し、はがれ、しわがよった状態で、特に胎盤機能が著しく低下している場合はやせているようにみえます。また、新生児はしばしば敏感な状態にあります。羊水の中に胎便がある場合は、皮膚と爪床が緑色に着色していることがあります。過期産児は、出産後に血糖値が低い(低血糖)傾向がみられますが、特に陣痛の際に酸素濃度が低かった場合は低血糖が起こります。

治療

酸素濃度が低かったり胎児仮死にあった過期産児の場合、出産時に蘇生が必要です。胎便を肺に吸いこんでしまっていた場合は、人工呼吸器を使います。低血糖を防ぐために、ブドウ糖溶液の静脈内投与や母乳や乳児用調合乳を頻繁に与えます。

このような問題が生じていない場合は、新生児が適正な体重に追いつくことを主な目標として、十分な栄養を与えます。

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