メルクマニュアル家庭版
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ターナー症候群

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ターナー症候群(性器発育異常)では、女児は2本のX染色体のうち1本が部分的あるいは完全に欠けている状態で生まれてきます。

ターナー症候群を伴う新生児の多くは、手の甲と足の上部が腫れています(リンパ水腫)。首の後ろに腫れや皮膚のたるみが明らかに認められることもよくあります。そのほかにも、翼状頸(首と肩の間に広く皮膚がついている)、首の後ろの髪の生えぎわが低い位置にある、胸が広く乳首と乳首の間が広い、爪の発達が悪いなどの症状が現れます。

ターナー症候群の女児が成長すると、生理がなく(無月経)、胸、腟(ちつ)、陰唇が普通は思春期に起こる変化に比べ子供のような状態のままであることなどがみられます。卵巣には通常、発達している卵がありません。ターナー症候群の女児や女性は、必ずといっていいほど低身長です。肥満もよくみられます。

そのほかの病気もみられます。大動脈の部分的狭窄(大動脈縮窄(先天異常: 大動脈縮窄を参照))などの心臓の異常もみられます。腎臓と眼の異常、糖尿病、甲状腺疾患もよくみられます。ときには腸の異常血管が出血を起こすこともあります。

ターナー症候群の女児の多くは、視覚と空間の関係を把握することが困難で、計画性と注意力に問題がみられます。これらの子供は言語の知能テストでは平均かそれ以上の成績をとっても、ある種の能力テストや数学では成績が低い傾向があります。精神遅滞はあまりみられません。

新生児の異常な外観によりターナー症候群を疑いますが、女児が10代になって性的な成熟がみられない段階に至るまでは気づかれないことがよくあります。染色体の検査で診断が確定します。

正常の場合に脳から分泌されるホルモン(成長ホルモン)による治療を行うと、成長を促せます。女性ホルモンであるエストロゲンを使う治療は、十分な成長が得られるまでは通常開始しません。エストロゲンによる治療は性的な成熟を促すと同時に、計画性、注意力、視覚と空間の関係性の把握能力なども向上させます。

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