メルクマニュアル家庭版
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むずかり、長時間号泣、仙痛

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むずかりとは、乳児が落ち着いたり、静かにしていられないことをいいます。長時間号泣とは、乳児が健康で基本的欲求が満たされているのに、長時間泣き続けることです。仙痛とは、数週間にわたって続く長時間号泣の型の1つですが、大きくてつんざくような声で泣き続けるもので、乳児が普通にしている時期とこのような時期が交互に起こります。

むずかり、長時間号泣、仙痛(コリック)は、生後2週間から3カ月の間に最もよくみられます。原因は不明ですが、長時間号泣は消化管に過剰な空気が入ることと関連づけられることがあります(たとえば食後にげっぷをしなかったり、泣く際に空気を飲みこんでしまうなど)。長時間号泣は、耳の感染症や尿路感染症、あるいは髄膜炎などの感染症が原因である可能性があります。乳児が過度に泣くそのほかの原因としては、胃食道逆流(消化器の病気: 胃食道逆流を参照)、牛乳アレルギー、歯の萌出(ほうしゅつ)、手指や足指に毛髪がからまっている(毛髪による血流圧迫)、角膜の剥離(はくり)などがあります。

長時間号泣や仙痛のある子供の親は、子供を泣きやませる手段がない場合や発熱や食欲不振などほかの症状が出ている場合は、医師に相談すべきです。病院ではこれらの原因を突き止めるための検査をします。感染症は、抗生物質を必要とする場合とそうでない場合があります。胃食道逆流の場合は、一連の治療を行います(消化器の病気: 胃食道逆流を参照)。消化管に入った空気は、子供にきちんとげっぷをさせることで対処します。牛乳アレルギーの場合は、ミルクの種類を替えてみると効果があることがあります。ミルクを替える前には、医師に相談しましょう。歯の生え始めのせいで泣く場合は、時間がたてば改善されます。毛髪がからまっている場合は、それを取り除きます。角膜の剥離がある場合は、抗生物質の軟膏(なんこう)か点眼薬を用いて感染症を防ぎます。

乳児が泣く理由が病気ではない場合は、長時間号泣か仙痛を疑います。これに対応する治療はありません。母乳で育てている母親は、特定の食物を与えると泣き方がひどくなるのに気づいたら、その食物を与えないようにすべきです。多くの乳児が抱っこされたりゆすられたり、軽くたたかれたりすると安心します。「ホワイトノイズ(絶え間がなく目立たない音)」や、扇風機・洗濯機・自動車の振動で安心する子供もたくさんいます。おしゃぶりやおくるみで安心することもあります。何かを食べさせると泣きやむこともありますが、泣くのをやめさせる目的で食べさせすぎないよう気をつけなくてはなりません。1人にされると泣き出して眠る子供もいます。

長時間号泣や仙痛のある子供の親は非常に疲れますし、ストレスを感じます。親は子供の夜泣きの合間をうまく利用して子供をベビーベッドの中であお向けに寝かせ、1人でおとなしく眠るよう促すべきです。このような事態にうまく対処するには、友人、家族、近隣の人、医師の協力が大切です。親は必要とする助けは何でも求めるようにし(兄弟姉妹や手伝いの人、保育士などに)、自分たちが感じていることや不安を共有するようにすべきです。乳児がどんなに泣き叫んだり、仙痛がみられても、非常に苦しんでいるようにみえても、これらは生後3〜4カ月までには治まるし、後に問題を残すようなこともないという事実を知れば、すっかり参っている親も気持ちが休まるでしょう。

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