メルクマニュアル家庭版
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乳児突然死症候群

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乳児突然死症候群(SIDS)とは、健康だと思われていた乳児が睡眠中に予期せず突然死亡することです。

SIDSは非常にまれですが、生後2週間から1年の乳児の死亡原因として最もよくみられるものです。月齢2〜4カ月の乳児に最も多く起こります。この症候群は世界的にみられます。SIDSは、早産児、出生時に体が小さかった乳児、以前に蘇生法を必要としたことがある乳児、上気道感染症のある乳児などに、より多くみられます。理由は不明ですが、黒人とアメリカ先住民の乳児はこのリスクが高くなっています。また、低所得家庭の乳児、母子家庭の乳児、母親が妊娠中にタバコや違法薬物を使用していた乳児、SIDSで死亡した兄弟姉妹がいる乳児でも、比較的多くみられます。

SIDSの原因は不明です。呼吸のコントロールに異常があるためとも考えられます。SIDSの乳児の一部では、血液中の酸素量が低かったり、呼吸の一時停止などの徴候がみられます。乳児をうつ伏せに寝かせることも、SIDSと関連があるとされています。

SIDSに関連する危険因子は知られているものの、これを確実に防ぐ方法はありません。絶対ではないですが、子供を硬いマットレスにあお向けに寝かせると多くの場合は防げます。SIDSによる死亡数は、子供をあお向けに寝かせる親が増えてから減少しています。まくら、べビーベッドの安全パッド、おもちゃなど、乳児の呼吸を妨げるおそれがあるものも置かないようにすべきです。乳児が高体温にならないように防ぐことも効果がある場合がありますが、これは実証されていません。タバコの煙で子供の呼吸が妨げられないようにすることは、予防効果がある上、そのほかの面でも健康に良いことです。

SIDSで子供を失った親の多くはこの悲劇的な出来事に対し心構えがなく、深い悲しみに襲われます。罪悪感を感じることもよくあります。警察やソーシャルワーカーなどの調査を受けて、さらに深く傷つくこともあります。子供を失った親がこの悲劇を乗り越えるには、専門の訓練を受けた医師や看護師、同じくSIDSで子供を失った親たちによるカウンセリングや援助が重要です。専門家は、親を支えるために役立つ本、ウェブサイト、援助団体を推薦してくれます。

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