メルクマニュアル家庭版
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夜尿(おねしょ)

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夜尿は4歳の子供で約30%、6歳で10%、12歳で3%、18歳で1%みられます。夜尿は女子よりも男子に多く、遺伝する傾向があります。

夜尿の原因は主に膀胱(ぼうこう)にかかわる神経の発達の遅れで、そのために子供は膀胱がいっぱいになって空にしなくてはならないときに起きられません。夜尿は、夢遊症や夜驚症(幼い子供の行動面と発達面での問題: 睡眠障害を参照)などの睡眠障害と一緒に起こることがあります。尿路感染症などの身体的な病気は、夜尿のある子供のわずか1〜2%にしかみられません。まれですが、糖尿病などの病気が夜尿の原因となる場合もあります。ときに夜尿は子供自身やほかの家族の心理的問題が原因で起こることもあり、性的虐待の可能性を示唆する症状のあらわれであることもあります。

ときには、夜尿はいったん止まって、それから再び始まることもあります。このような再発は、通常、心理的にストレスの多い出来事や状況の後に続きますが、尿路感染症などの身体的原因による場合もあります。

治療

夜尿は非常によくあることで治るものですし、罪悪感を覚える必要はまったくないことを、子供も親も認識する必要があります。夜尿がみられる年長児の場合は、夕食後は水分を制限する(特にカフェイン入り飲料)、寝る前に排尿する、夜尿があった夜となかった夜を記録する、夜尿をしてしまったら寝間着と寝具を取り換えるなど、自分で責任をもって対処するようにします。子供が夜尿をしなかったときは、年齢に応じたご褒美をあげるようにしてもよいでしょう。

6歳未満の子供の場合は、寝る2〜3時間前から水分を与えないようにし、寝る直前に排尿させるようにします。この年ごろの多くの子供では、時と身体的成熟がこの問題を解消します。

6〜7歳より上の子供の場合は、何らかの治療を行うこともあります。尿を数滴検知するとアラームが鳴って子供を起こす夜尿アラームが現在の治療法では最も効果的です。この方法は夜尿のある子供の約70%に治療効果があり、アラームを外した後でも夜尿が再発するのはわずか10〜15%前後です。このアラームは比較的安価で、取りつけも簡単です。使いはじめて最初の数週間は、子供は完全に排尿してしまってから目が覚めます。次の数週間では、尿が少量出た段階で目が覚めるようになり、ベッドをぬらす回数が減ります。やがて、排尿したくなるとベッドをぬらす前に目が覚めるようになります。夜尿のない時期が3週間続いたら、アラームを外しても大丈夫です。

アラームやご褒美をあげるやり方でも夜尿が治まらない年長児の場合、医師はイミプラミンを処方することがあります。イミプラミンは抗うつ薬ですが、膀胱を弛緩(しかん)させて括約筋を引き締め、尿の流れを止める働きがあるので、夜尿症の治療にも使われます。イミプラミンが効く場合は、通常治療の最初の1週間のうちに効き目が出ます。この速効性がこの薬の一番の利点で、特に夜尿症を早期に解決したいと考えている場合は有益です。夜尿が起こらなくなって1カ月が経過したら次の2〜4週間は薬を減らし、その後服用をやめます。しかし約75%の子供で夜尿が再発します。再発した場合は、この薬を3カ月間服用してみることもあります。

よく使われる夜尿の薬に、デスモプレシンの錠剤と点鼻薬があります。この薬は排泄される尿の量を減らして、夜尿も減らします。この薬は1〜3カ月間使用して、できるだけ早く使用をやめます。子供がキャンプに行くなど必要なときに、ときどきこの薬を使うこともできます。

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