メルクマニュアル家庭版
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はじめに

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青年期の若者が、成長と発達に関連して最もよく直面する問題には、小児期から続く病気と、危険や違法行為を伴う経験があります。新しい行動を試してみるたびに、彼らはけが、法的責任、性感染症の危険にさらされます。異性と性行為をもつ女子は、妊娠の可能性があります。特に自動車やバイクの事故による外傷性の損傷は、青年期の若者の死亡と身体障害の原因の上位です。対人暴力も、青年期の若者の間では特に問題になっています。

青年期は、抑うつや統合失調症(精神の病気: 小児統合失調症を参照)などの精神障害が明らかになる時期でもあり、これらは自殺につながるおそれがあります。神経性食欲不振症や神経性過食症(摂食障害: はじめにを参照)などの摂食障害は、青年期の女子に特によくみられます。

思春期の始まりが早すぎるとき

早発思春期と早発偽思春期とは、女子では7歳以前、男子では9歳以前に始まる性的成熟のことです。真性の早発思春期は、ある種の性ホルモン(性腺刺激ホルモン)が脳下垂体から早い時期に放出されることで起こります。これらのホルモンは卵巣や精巣の発達を促してエストロゲンやテストステロンなどの性ホルモンの分泌を引き起こします。エストロゲンやテストステロンは思春期を発現させ、成人の身体的特徴を発達させます。この早期のホルモン分泌は、脳下垂体や視床下部(脳下垂体をコントロールする脳の領域)に生じた腫瘍やそのほかの異常により起こることがあります。

早発偽思春期では、副腎や精巣、卵巣などに生じた腫瘍やそのほかの異常により高濃度のテストステロンやエストロゲンが産生されます。これらのホルモンは、精巣や卵巣自体の成熟は引き起こしませんが、子供がより成人らしくみえるようになります。

どちらの状態でも、陰毛とわき毛が生えて成人の体臭が発生し、子供の体つきが変化します。にきびができることもあります。男子にはひげが生えて、陰茎が長くなり、外見が男性的になってきます。女子では乳房がふくらんで、特に真性の早発思春期の場合、月経が始まることもあります。身長も急速に伸びますが、早い年齢で止まります。したがって、最終的な身長は、予測されていたよりも低くなります。真性の早発思春期では、性腺(精巣、卵巣)も成熟して大きくなりますが、早発偽思春期では性腺は未成熟なままです。真性の早発思春期は、女子の方に2〜5倍よくみられます。

テストトキシコーシス(精巣中毒症)は、男子に発症する遺伝性のまれな早発偽思春期です。これは視床下部や脳下垂体とは関係なく、精巣が直接的に成熟することが原因で起こります。同様に、マックキューン‐オルブライト症候群も遺伝子(ただし遺伝性ではない)の疾患で、早発偽思春期を引き起こします。この病気は女子によくみられます。

医師は血液中のホルモンレベルを測定し、骨成熟を調べるために手と手首のX線撮影を行います。骨盤と副腎の超音波検査と、副腎、脳下垂体、視床下部の腫瘍の有無を確認するために、頭部のCT(コンピューター断層撮影)検査とMRI(磁気共鳴画像)検査も行います。下垂体ホルモンレベルに対する性腺刺激ホルモン放出ホルモンの影響を検査すると、原因を突き止めるのに役立ちます。

真性の早発思春期に対しては、長期作用型のロイプロリド(合成の性腺刺激ホルモン放出ホルモン)の注射やデスロレリンやヒストレリンを毎日注射すると、脳下垂体は体自身の性腺刺激ホルモン放出ホルモンの影響に対する感度が低くなって、性ホルモンを産生しなくなります。早発偽思春期では、医師はさまざまな薬を使って性ホルモンの作用を抑制しようと試みます。抗真菌薬のケトコナゾールは、テストトキシコーシスにかかっている男子の血液中のテストステロンの循環レベルを下げます。テストラクトンという薬剤は、マックキューン‐オルブライト症候群にかかっている青年期の若者のエストロゲンのレベルを下げます。これらのいずれの病気に対しても、スピロノラクトンやシプロテロンは効果が期待できます。

真性の早発思春期、早発偽思春期の原因が腫瘍であった場合は、それを取り除くことで病気が治癒することがあります。

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