メルクマニュアル家庭版
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咽頭炎

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咽頭炎はのど(咽頭)の感染症で、扁桃にも広がることがあります。

咽頭炎の大半は、かぜと同じウイルスによって起こります。ウイルス性咽頭炎はかぜと同様に自然に治り、問題になるのは子供が非常につらく感じていて学校を休むような場合だけです。レンサ球菌が原因で起こることはあまりありませんが、起こった場合は重症です(レンサ球菌性咽頭炎)。レンサ球菌性咽頭炎は2歳未満の子供にはあまりみられません。咽頭炎はまれに、伝染性単核球症やジフテリア(予防接種率が低い国の場合)などのあまり一般的でない感染症が原因で起こることもあります。

咽頭炎がもとで、扁桃(のどの奥にある小さなリンパ組織)が感染を起こすこともあります。扁桃が大きく腫れた場合を扁桃炎といいます。咽頭炎が治った後も、扁桃の感染と炎症が続いて腫れたままになることがあります(慢性扁桃炎)。

細菌性咽頭炎は、(1)扁桃の持続性の炎症、感染症、腫れ(慢性扁桃炎)、(2)扁桃のひだに膿がたまった状態(陰窩性扁桃炎)、(3)咽頭横の組織内の膿瘍形成(後咽頭膿瘍)、(4)咽頭の後ろ側の膿瘍形成(咽後膿瘍)、(5)扁桃周囲の膿瘍形成(扁桃周囲膿瘍(のどの病気: 扁桃蜂巣炎と扁桃膿瘍を参照))を引き起こします。レンサ球菌性咽頭炎ではまれに合併症として、リウマチ熱(細菌感染症: リウマチ熱を参照)、糸球体腎炎、致死的な組織の感染症(壊死性筋膜炎)や循環血流の感染症(毒素性ショック症候群)などを引き起こすことがあります。

症状

咽頭炎を起こした子供は例外なくのどが痛くなり、ものを飲みこむと多少の痛みがみられます。耳が痛むこともありますが、これは耳とのどが同じ神経を共有しているためです。のどの奥と扁桃はたいてい赤くなり、扁桃は腫れたり白い粘液で覆われることがあります。

鼻かぜの一部として咽頭炎がみられる場合には、鼻水、せき、微熱などがみられます。レンサ球菌性咽頭炎の場合は首のリンパ節が腫れて圧痛が生じ、高熱が出ることがあります。レンサ球菌性咽頭炎ではときに、舌が鮮やかな白や赤に変色したり(イチゴ舌)、特徴的な皮膚発疹(猩紅熱様紅斑[しょうこうねつようこうはん])などの、猩紅熱(細菌による感染症: 症状を参照)のような症状が現れることがあります。

慢性扁桃炎の場合はのどの痛みと、ものを飲みこむ際の痛みや不快感が生じます。

診断と治療

のどの奥が赤くなっていて白い粘液や膿がみられる場合や、首のリンパ節が腫れている場合には咽頭炎を疑います。

レンサ球菌性咽頭炎の疑いがある場合は、のどの奥を軽くこすって採取したサンプルを2種類の検査(迅速抗原検査、細菌培養検査)にかけます。迅速抗原検査によるレンサ球菌性咽頭炎の検出は数分でできます。迅速検査の結果が陽性であれば細菌培養は不要です。陰性だった場合は細菌培養を行いますが、こちらは結果が出るまでに1〜2日ほどかかります。

レンサ球菌性咽頭炎の治療には主にペニシリンを使用し、1回の注射か、内服薬として10日間以上投与します。ペニシリンのアレルギーがある場合はエリスロマイシンやその他の抗生物質を使用します。レンサ球菌性咽頭炎とウイルス性咽頭炎の治療では、鎮痛と解熱のためアセトアミノフェンやイブプロフェンを投与し、のどの痛みを抑えて子供に水分をできるだけ多く摂取させます。ものを飲みこむとのどに痛みがあったり食欲が戻らない時期には、スープを飲ませると水分と栄養を同時に補給できます。塩水でうがいをしたり、のど用の麻酔スプレーを使うと一時的に痛みを緩和できます。

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