メルクマニュアル家庭版
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ピルビン酸代謝異常症

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ピルビン酸は炭水化物やタンパク質の代謝過程で形成される物質で、細胞のエネルギー源として働きます。ピルビン酸代謝で異常が生じると、細胞のエネルギー産生力が制限され、老廃物の乳酸が蓄積します。多くの酵素がピルビン酸代謝にかかわっています。これらの酵素のどれか1つが先天的に欠損していると、さまざまな病気のうち1つを発症します。病気の種類は欠損している酵素の種類によって決まります。症状は、乳児期の初期から成人期後半のいつでも出る可能性があります。運動をしたり感染症にかかったりすると症状が悪化し、重症の乳酸アシドーシスが起こります。この病気は、肝臓または皮膚の細胞の酵素活性を測定することで診断します。

ピルビン酸脱水素酵素複合体欠損は、ピルビン酸の代謝過程に必要な酵素群が欠損していることを意味します。この欠損によって、軽症から重症までさまざまな症状が現れます。新生児の中には、脳機能障害がみられる場合もあります。出生時には正常にみえても乳児期後半から小児期にかけて、筋力低下、けいれん、協調運動障害、重い平衡障害など、さまざまな症状が現れることがあります。精神遅滞がよくみられます。この異常が治癒することはありませんが、高脂肪で低炭水化物の食事が有効なこともあります。

ピルビン酸カルボキシラーゼの欠損は非常にまれに起こる異常で、体の中のピルビン酸からのブドウ糖産生が妨げられます。乳酸とケトンが体内にたまり、多くの場合、生命にかかわります。生き延びてもこの病気の子供にはけいれんや精神遅滞などが現れますが、最近はより軽症の子供も報告されています。治癒することはありませんが、炭水化物を多く含む食事の回数を増やし、食事中のタンパク質を制限することが有効な場合もあります。

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