メルクマニュアル家庭版
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フォスターケア(里親制度)

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フォスターケアは子供を育てられない家庭に対して一時的に提供される養育制度です。フォスターケアの手配と決定は地方自治体が行います。この制度は米国では広く利用されており、毎年75万人ほどの子供がこの制度で養育されています。

里親は毎日子供の世話をすることが前提になっています。しかし子供の法的保護者は実の親のままであるのが普通です。つまり子供に関して法的な決定を下すのは実の親になります。たとえば子供が手術を必要とする場合、それに同意できるのは実の親だけです。

フォスターケアを受けている子供の多くは貧困家庭の子供です。この制度で養育されている子供の約70%は、虐待やネグレクトを受けていたために児童保護局によってフォスターケアを提供されています。残りの約30%は青少年保護法による措置をとられた青年期の若者です。親の意思によってこの制度で養育を受けている例はごくわずかです。フォスターケアを受けている子供の多くは里親の家族と一緒に暮らしていますが、青年期の子供ではその多くがグループホームや居住型の治療施設で暮らしています。

家族と引き離されることは子供にとって非常につらいことです。フォスターケア制度では家族と頻繁に面会できる場合も、監督下で限られた面会しかできない場合もあります。フォスターケアを受ける子供はそれまで親しんでいた近所の人や地域社会、学校、自分の所有物の多くと別れて暮らすことになります。この制度で養育されている子供の多くは不安や心細さ、自分の生活のコントロールを失ったという気持ちを感じています。別離によって怒りや拒絶されたという気持ちや苦痛を感じたり、大きな喪失感を抱えることもあります。家庭が崩壊したのは自分のせいだと信じこんでしまい、後ろめたさを感じる子供もいます。フォスターケアを受けていることを友人にからかわれることもしばしばあり、自分がみんなとは違うという気持ちや自分は価値がないという思いを抱かされます。これらの子供は普通よりも慢性疾患や行動障害、情緒障害、発達障害を多く発症する傾向があります。しかし多くの子供は養育環境によく適応し、感情面での必要性に応えてくれる里親にもなじみます。カウンセリングはフォスターケアを受けている子供の多くにとって役に立ちます。

約半数の子供はやがて実の親の元に戻ります。養育を受けた子供の約20%は養子になりますが、たいていは里親の養子になります。そのほかの子供は親戚に引き取られたり、養育を受ける年齢を過ぎます。少数の子供は後に別のフォスターケア施設に移ります。

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