メルクマニュアル家庭版
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アセトアミノフェン中毒

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アセトアミノフェンを含有する薬剤は100種類以上あり、多くは市販の鎮痛薬に含まれています(市販薬: アセトアミノフェンを参照)。類似した薬を1度に数種類使用すると、気づかないうちにアセトアミノフェンの過剰摂取となる場合があります。小児用には液体、錠剤、カプセルなどのさまざまな製剤があり、親は一度に複数の剤形の薬を、どれもがアセトアミノフェンを含むことに気づかずに、数時間以内に飲ませていることがあります。

アセトアミノフェンは非常に安全な薬剤ですが、まったく害がないわけではありません。規定量の数倍のアセトアミノフェンを服用すると中毒が起こります。ただし、体重約70キログラムの人の場合、1度だけの服用で中毒を起こすには、325ミリグラムの錠剤が少なくとも20錠必要です。40錠を超えて服用しない限り死に至ることはまずありません。アセトアミノフェン中毒を起こす量を服用すると肝障害を起こし、続いて肝不全が起こります。

症状と診断

過剰に摂取しても、症状がすぐに現れるわけではありません。服用した2〜4時間後に血液中のアセトアミノフェンの濃度を測定すれば、かなり正確に肝臓障害の程度を予測できます。特に大量に摂取した場合には、症状は4段階で進行します。第1期(最初の数時間)は、嘔吐しますが、病状は悪くはみえません。多くの患者は第2期(24時間後)まで症状はみられませんが、第2期では吐き気、嘔吐、腹痛が起こります。この段階で血液検査を行うと、肝機能の異常がみられます。第3期(2〜5日後)では嘔吐がひどくなります。検査では肝臓の機能が不十分であることがわかり、黄疸や出血がみられます。第4期(5日目以降)では、急速に回復するか肝不全になるかどちらかです。肝不全は死に至ることがあります。

治療

アセトアミノフェンを摂取してから数時間以内であれば、活性炭を投与します。

血液中のアセトアミノフェンの濃度が高い場合は、アセチルシステインを経口投与か静脈投与してアセトアミノフェンの毒性を軽減します。アセチルシステインは1〜数日間、繰り返し投与します。肝不全の治療が必要になる場合もあります。

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