メルクマニュアル家庭版
米国メルク社とメルクマニュアル
メルクマニュアル家庭版
を検索
索引
記号
セクション

知っておきたい基礎知識

薬についての基礎知識

心臓と血管の病気

肺と気道の病気

骨、関節、筋肉の病気

脳、脊髄、神経の病気

心の健康問題

口と歯の病気

消化器の病気

肝臓と胆嚢の病気

腎臓と尿路の病気

栄養と代謝の障害

ホルモンの病気

血液の病気

免疫の病気

感染症

皮膚の病気

耳、鼻、のどの病気

眼の病気

男性の健康上の問題

女性の健康上の問題

小児の健康上の問題

事故と外傷

その他の話題

付録

解剖図

マルチメディア

単位の換算表

一般的な医学的検査

医薬品の一般名と主な商品名

情報源と支援団体

メルクマニュアル家庭版について

セクション

トピック

エクササイズプログラムを始める

ほとんどの人は、医師に相談することなくエクササイズプログラムを始めることができます。しかし、心臓や肺に病気がある人や、糖尿病患者、その他の重度の病気にかかっている人は、まず主治医に相談してください。高齢者の場合も同様です。慢性疾患などで薬物治療を受けている人も、医師との相談が必要です。薬の中には運動能力を低くするものがあります。ベータ遮断薬もその1つです。心拍数を減らし(主な降圧薬を参照)、鎮静効果があるので、眠気を誘い、転倒しやすくなります。

それまでほとんどエクササイズしたことがなく、肥満がかなり進んだ人がエクササイズプログラムを始めるときは、その前に医師と相談した方がよいでしょう。場合によっては、理学療法士などの医療専門家や、経験や資格のあるトレーナーによる指導が必要になります。

運動プログラムを安全に始める方法は、軽い強さの運動やスポーツを行い、手足が痛み出したり体が重く感じられたらやめることです。エクササイズの数分後に筋肉が痛み出すようであれば、それ以上続けてはいけません。体力が増せば、筋肉に痛みを感じることなく、より長時間エクササイズできるようになります。しかし、筋肉を強く大きくするためには、ある程度の苦しさはつきものです。運動の強さと持続時間は、徐々に増やしていくことができます。

エクササイズの種類

エクササイズは、酸素を利用するもの(有酸素運動)と酸素を利用しないもの(無酸素運動)に大きく分けられます。ほとんどのエクササイズには両方の要素があります。

有酸素運動: これは空気中から筋肉に酸素を取り入れる運動のことで、心臓と肺は通常よりも激しく動かなければなりません。ランニング、サイクリング、水泳、スケートなどは有酸素運動です。有酸素運動はカロリーを大量に消費し、無酸素運動よりも心臓機能を改善できます。しかし、筋力強化にはあまり効果がありません。

無酸素運動: これは短時間に大きな負荷をかけるエクササイズのことです。ウエートリフティングやアイソメトリックス(体の一部を他の部分と拮抗させるような運動)は無酸素運動です。無酸素運動は筋肉に蓄えられたエネルギー源に依存し、有酸素運動と違って空気中の酸素には依存しません。全体的にみて、無酸素運動が消費するカロリーは有酸素運動よりも少なく、心臓血管機能に対する効果はやや劣るといえます。しかし、筋力を鍛える効果がありますし、心臓と肺にも効果がないわけではありません。長い目でみれば、筋肉は大量のカロリーを消費するので、筋肉が増えれば体が引き締まり、体重も減ります。

強度、持続時間、頻度

エクササイズには常に、強度、持続時間、頻度のバランスがあります。ほとんどの人は、体力がつくのに伴って徐々に強度を上げ、持続時間と頻度はある程度のレベルに達したら一定に保つ方がよいでしょう。

心臓を鍛えるには、適度な強さの運動を行うことが必要です。強度を評価する方法にはいくつかあります。1つは、心拍数(1分間あたりの脈拍数)が安静時よりも20拍以上増えたら適切(十分に効果がある)と判断する方法です。もう1つは少し複雑ですが、心拍数が推定最大心拍数の70〜85%であれば適切とする方法です。推定最大心拍数は、220からその人の年齢を引き算した数です。しかしこの計算では、体力のある人にとってはやや控えめな数字になります。さらにあいまいですが、気温が極端に高くないときのエクササイズで、適度に息が荒くなり、汗をかけば十分とする方法もあります。極度に息が荒くなり、汗をたくさんかけば、エクササイズの強度が高いことになります。くたくたに疲れるまで運動するという方法もあります。これはウエートリフティングでよく用いられる方法で、ウエートを持ち上げられなくなるまでリフティングを続けます。

最初は、たいていの人が数分のエクササイズで疲れてしまうでしょう。最終的には、1回に30〜60分間続けられる最も強い運動を実施するのが目標です。この持続時間であれば、筋肉を鍛え、心臓血管機能を高めるのに最適な効果が得られます。それ以上長く続けても、筋力や持久力を強化する効果はさほど上がりません。

多くの人にとって、週に3〜4回以上エクササイズをしてもあまり効果がありません。心臓は毎日何回も鍛えることができますが、骨格筋は隔日以上の頻度で激しいエクササイズをすると壊れてしまいます。十分なエクササイズをした翌日には、筋線維に出血と微細な肉離れが生じています。これが筋肉痛の原因です。エクササイズをしたら、約48時間は筋肉を休ませて回復させましょう。非常に激しいエクササイズをすると、一連の筋肉が完全に回復するまでに数日間かかります。筋肉を鍛えるには十分休ませることも必要です。

鍛えられる筋肉は運動によって異なります。有酸素運動では、たとえばランニングで主に鍛えられるのは膝から下の筋肉です。かかとが着地するときとつま先がけるときに、足首には最大の力がかかります。サイクリングで鍛えられるのは主に太ももの筋肉です。ペダルを踏むときには、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋[だいたいしとうきん])とお尻の筋肉を使います。ボートをこいだり泳いだりすると、上半身と背中の筋肉が鍛えられます。このようなエクササイズは、筋肉の損傷を防ぐために1日おきに行いましょう。ウエートリフティングのような無酸素運動の場合、エクササイズのたびに鍛える筋肉群を変えるのが最適です。たとえば、ある日に上半身を鍛えたら、翌日は下半身を鍛えるのが理想的なスケジュールです。

また、同じ運動を長期間続けるより運動の種類を変えた方がよいでしょう。体は同じ運動をずっと続けると慣れてしまうので、体を鍛えたり心臓血管機能を改善する効果が薄れてしまいます。そのため、ウエートリフティング選手は数週間ごとに運動の種類を変えるべきで、有酸素運動をする人もエクササイズの種類を変えましょう。

ページの先頭へ

前へ: エクササイズの効果

次へ: けがの防止

アニメーション
オーディオ
イラスト
写真
囲み解説
ビデオ
個人情報の取扱いご利用条件