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正しいエクササイズを選ぶ

エクササイズにはたくさんの種類があり、それぞれに長所と短所があります。たとえば、ウオーキングは関節への負担が比較的小さくてすみます。これは、ウオーキングの間は常にどちらか一方の足が地面に着いているため、足が地面を踏むときの力が、その人の体重をはるかに超えることがないためです。しかしその分、ウオーキングで消費するカロリーはランニングよりも少なくなります。筋肉が水の浮力で支えられるため、水泳で肉離れを起こすことはめったにありません。しかし、水泳は骨に負荷がかかるエクササイズではないので、骨粗しょう症の予防にはなりません。サイクリングは、なめらかな円運動でペダルを踏むので筋肉に衝撃は生じませんが、乗るにはバランス感覚が要求されますし、交通事故の危険と常に無縁でいられるとは限りません。

エクササイズに関する選択はほかにもあります。ジムや屋内でのエクササイズを好む人もいれば、屋外でのエクササイズを好む人もいます。綿密に組み立てられたプログラムに従ってエクササイズする人もいますが、なるべく車を使わずに歩くというように、簡単なエクササイズを生活に採り入れている人もいます。正しいエクササイズを選ぶということは、その人にとって楽しく、安全で、継続できるエクササイズを見つけるということです。

ウオーキングは、年齢を問わず、たいていの人にとってバランスの良い運動です。定期的なウオーキングプログラムで健康を保っている高齢者はたくさんいます。しかし、歩く速度が遅いと健康にはそれほど役立ちません。速く歩くためには、歩幅を広くして足も素早く動かさなければなりません。お尻を左右に振るように歩けば足が遠くまで届くので、歩幅を大きくできます。お尻を振って歩くと、足が着地するときにつま先が外側を向きやすいので、つま先が真っすぐ前を向いているときよりも手前に着地しがちです。ですから、歩くときはつま先が真っすぐ前を向くように注意しましょう。腕を速く振れば脚の動きも速くなります。腕を速く振るためには、ひじを曲げて振り幅を短くし、肩から前後に腕を振る時間を短くします。関節が不安定な人や、関節に重いけががある人は、ウオーキングは難しいでしょう。

水泳は脚、腕、背中の体全体を鍛えることができ、関節や筋肉に大きな負担はかかりません。水泳は筋肉や関節に障害のある人に勧められます。自分のペースで、好きな泳ぎ方で泳げば、徐々に30分以上続けて泳げるようになります。しかし、体重を減らすことが目的なら、水泳は最適な選択とはいえません。水の外での運動の方が効果的ですが、それは体が空気で囲まれているので体温が上がり、代謝が18時間は活発になるからです。この過程で、運動中だけでなく運動後も余分なカロリーが消費されます。対照的に、水は体から熱を奪ってしまうので体温が上がらず、活発な代謝も水泳の後までは続きません。

サイクリングは心臓血管機能の強化に適した運動です。ペダルを踏むことにより、太ももの筋肉が強化されます。エルゴメーター(固定式の自転車型トレーニングマシン)を使えばタイヤにかかる張力を調節できるので、毎分60回転のリズムでペダルをこぐよう調節できます。慣れてくれば、タイヤにかかる力を徐々に強くして、1分間に90回転のリズムでペダルをこげるようになります。定期的にサイクリングすると、地形の変化に対応してバランスを取ることに挑戦し、楽しむこともできますが、交通事故の危険も伴います。しかし、エルゴメーターでもバランスが保てない人もいますし、サドルが小さくてお尻が痛むために自転車に乗れないという人もいます。

背もたれのあるエルゴメーターなら安定していて快適です。このマシンには体の曲線に合わせたシートがあるので、脳卒中を起こしたことのある人でも座ることができます。また片脚が麻痺していても、トウクリップで両足を固定できるので、残りの脚だけでペダルをこぐことができます。背もたれ付きのエルゴメーターは、太ももの筋肉が衰えていることの多い、高齢者に特に向いています。高齢者は太ももの筋肉が衰えると、しゃがんだ姿勢から立ち上がったり、手を使わずにいすから立ち上がったり、手すりにつかまらずに階段を上ったりといった動作が困難になります。

エアロビックダンスは、多くの地域で人気のあるエクササイズで、全身運動になります。経験を積んだインストラクターの指導を受けながら、自分のペースで運動することができます。陽気な音楽と親しみやすい動きでエクササイズも楽しくなり、スケジュールを守って友人と通えばやる気も出ます。ビデオテープを使えば家庭でもエアロビックダンスができます。ローインパクト・エアロビックダンスは通常のエアロビックダンスからジャンプや激しい動きを省いたもので、膝や股関節への負担が軽くなります。しかし、エアロビックダンスの効果は、特に体重を減らすという点ではダンスの激しさに比例します。

ステップエアロビクスで負担がかかるのは、主に太ももの前面と後面の筋肉(大腿四頭筋と膝腱)です。踏み台(ステップ)を、音楽に合わせて決められたペースで上り下りします。筋肉痛を感じはじめたらすぐにやめて他の運動に切り替え、ステップエアロビクスは2〜3日たってから再開します。

水中エアロビクスは、固い床に転ぶこともなく全身が水で支えられるので、高齢者や筋肉の衰えている人には最適です。しばしば関節炎患者も行います。水中エアロビクスには、筋肉をいろいろと動かすものもあれば、腰から肩の深さのプールを歩くだけのものもあります。

クロスカントリースキーは上体と脚の筋肉を鍛えます。多くの人がクロスカントリースキーをシミュレートした機械を楽しんで使っていますが、動きをマスターするのが難しいと感じる人もいます。この機械は他のエクササイズ用マシンよりも調整が必要なので、購入する前に試してみた方がよいでしょう。野外でのクロスカントリースキーの方が楽しめる人もいますが、寒さの中で運動することを我慢しなくてはなりません。

ボートこぎは、脚、肩、背中の大きな筋肉を鍛え、背中のけがを防ぐ効果もあります。本物のボートをこぐ人よりもローイングマシンを使う人の方が多いのですが、野外でボートをこぐと、オールを操る難しさや、ボートで過ごす時間の楽しさを味わうことができます。しかし、背中に障害のある人は、医師の同意なしにこの運動をすべきではありません。

レジスタンストレーニングは、体力をつけて筋肉を増やすことを目的とした無酸素運動です。筋肉を増やすためには、レジスタンストレーニングは他の運動よりもずっと効果的です。しかし、カロリーの消費(つまり体重の減少)や心臓血管機能の向上を目的とした場合、同じ強度であればレジスタンストレーニングよりも有酸素運動の方が効果的です。しかし、筋肉は脂肪よりもカロリーを消費するので、筋肉が増えれば結果として体が引き締まります。レジスタンストレーニング1セットあたりの反復回数を増やし、各セット間の休息時間を減らせば、有酸素運動的要素を増やすことができます。

ウエートリフティングは、適切に行わないと筋肉や関節を痛めるリスクが高くなります。ウエートリフティングを始める人は、ウエートのセットの仕方、シート高さの調整の仕方、リフティング中の呼吸の仕方(持ち上げるとき、下ろすときに息を吐き、力を抜いているときに息を吸う)など、最初にインストラクターの指導を受けた方がよいでしょう。たいていの人の場合、ウエートは10〜15回のリフティングが可能な重さにセットします。ウエートが重すぎるとけがをしやすくなります。体の一部分だけを連日鍛えることのないように、鍛える部分は数日おきに変えるようにします。

運動によるカロリー消費量のめやす
 

1時間で消費する平均カロリー

運動

体重約57kgの人

体重約80kgの人

エアロビクス 283 396
サイクリング 453 635
クロスカントリースキー 453 635
ダウンヒルスキー 340 476
ゴルフ    
カート利用
198 277
キャディーなし
311 436
ハイキング 340 476
アイススケート 396 555
インラインスケート 283 396
ランニング    
200m/分
708 992
135m/分
453 635
ソフトボール 283 396
水泳 453 635
スイングダンス 226 317
テコンドー 283 396
テニス(シングルス) 453 635
ウオーキング 198 277
ウエートリフティング 170 238
ヨガ 226 317

運動は中程度の強度として燃焼カロリーを算出。

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