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法的判断能力と意思決定能力

法的な成人とは、米国ではほとんどの州で18歳以上の人を指しますが、成人には自己決定権、職業を営む権利、治療上の決定をする権利があります。この状態を法的判断能力(コンピテンシー)と呼びます。法的判断能力とそれに伴うすべての権利は死ぬまで有効ですが、もはや自己の判断に基づいた個人的活動を行えないと裁判所が判断した場合(判断不能)や、この権利を自らの意思で他者に移管した場合はその限りではありません。

米国では判断不能を宣告し、その際に判断の権利を剥奪できるのは裁判所だけです。ある人が判断不能と宣告された場合、その人がすでに医療判断代理委任状やリビングウィルなどの適切な文書を作成してだれか他の人を任命していない限り、裁判所はその人の利害に最もかなう行動をする人を探さなければなりません。

意思決定能力(キャパシティー)は、法的判断ではなく医学的判断に関するもので、治療、処置、その他の健康に関連した問題に対して決定を下す能力を意味します。意思決定不能は、医師などの医療専門家が判断しますが、肉体的あるいは精神的に、医療に関する適切な判断を下したり、遂行することができない状態を指します。昏睡状態の人は何も判断できませんし、脚を骨折した人は、判断は下せますが行動に移すことができないでしょう。軽い痴呆患者は、医師との話し合いの内容を十分に理解し、ケアに関する判断を下すことができますが、ビジネスに関する判断は難しいでしょう。痴呆患者は、ケアを進める、あるいは重要な法的取引や商的取引を行う前に、医師、弁護士、会計士に頼って、認知能力、記憶能力、判断能力のレベルを評価してもらわなければなりません。患者自身で医療に関する判断を下せないことがわかったら、医師は患者が指名した代理人、友人、家族に判断を仰ぎます。判断不能な人に代わって医療に判断を下すこの過程が、訴訟に発展することはまれです。

判断不能と意思決定不能の問題は、高齢者が病気になったときに頻繁に浮上します。体を傷つけるような検査や治療を行うときには、医師はそのリスクと利益を判断できる人の許可を得る必要があります。患者自身がリスクを判断できない場合は、医療判断代理委任状で指名された人(代理人)に判断を頼みます。だれも指名されていない場合、医師は通常通り最も近親の家族に判断を仰ぎます。医療判断代理委任状がある場合は、米国では医療に関する判断は、必ず患者が選んだ人によって下されます。

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