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ジェネリック薬の開発

企業がブランド薬と同成分の後発品(ジェネリック薬)の開発を決定すると、その企業の専門家が製剤をどう設計するかを考案します。そしてジェネリック薬が元の薬と生物学的に同等であるか(数パーセントの範囲内で)、適切な非活性成分を使用しているか、ジェネリック薬が元のブランド薬と大きさ・色・形が異なっているかなど、法的必要条件に則しているかを確かめなければなりません。その後、企業はFDAからジェネリック薬の承認を受けなければなりません。

生物学的同等性試験: 企業は、ジェネリック薬が元のブランド薬と生物学的に同等か、つまり2つの薬が人間の体に対してほぼ同じ効果をもつかどうかを明らかにするための試験を行わなければなりません。生物学的同等性試験では、ジェネリック薬がその有効成分を元の薬とほぼ同じ速度と量で血液中に放出するかどうか、また時間がたってもジェネリック薬がほぼ同じ血中濃度を保つかどうかを測定します。生物学的同等性試験では、比較的少数(24〜36人)の健康なボランティアの被験者を採用します。これに対し、新薬の試験は、もっと複雑で多くの参加者を必要とします(したがって、より多額の費用を要する)。新薬の試験では、薬が安全かつ有効であることを証明しなければならないからです(研究室から医療の現場へを参照)。

非活性成分: ジェネリック薬は、元のブランド薬とは異なる非活性成分をいくつか含む傾向があります。非活性成分が加えられるのは次のような理由からです。大量生産に適した扱いやすい大きさの錠剤にするため、製造時から使用時までの間に錠剤が砕けないようにするため、胃や腸で溶けやすい錠剤にするため、味や色を好ましいものにするため、などです。通常は、非活性成分は体に影響を及ぼさない無害な物質です。しかしながら、非活性成分はまれに少数の人に重度のアレルギー反応を引き起こすことがあるため、それを避ける目的で特定のジェネリックやブランド品の銘柄が好んで使われることもあります。たとえば、ピロ亜硫酸ナトリウムなどの重亜硫酸塩は、多くの医薬品の防腐剤として使用されていますが、多くの人に喘息(ぜんそく)性アレルギー反応を引き起こします。その結果、現在では重亜硫酸塩を含有する薬品は、目立つようにラベルに表示されるようになりました。

評価と承認の手続き: FDAはあらゆるジェネリック薬を評価します。FDAは、元のブランド薬とジェネリック薬が本質的に生物学的に同等であることが試験で証明された場合には、ジェネリック医薬品を承認します。また、FDAは新しいジェネリック薬が適切な量の有効成分を含有しているか、連邦規格(医薬品製造管理および品質管理基準、GMP)に従って製造されているかどうかについても確認します。

注釈)米国で出版された原書に掲載されているジェネリック薬の代替調剤に関する一覧表は、米国の状況について記載されたものです。日本のジェネリック医薬品に関して述べたものではありませんので、あらかじめご了承ください。

ジェネリック薬の詳しい情報については、日本ジェネリック医薬品学会のサイトをご覧ください。

www.generic.gr.jp


ジェネリック薬での代替調剤が適切でないこともあり得る場合

医薬品の種類

備考

1938年の米連邦食品医薬品化粧品法以前に販売されていた医薬品 ジゴキシンその他のジギタリス誘導体(心不全用);甲状腺ホルモン補充薬 ジェネリック医薬品の要件を免除された1938年以前の薬のうち数種類のみが現在でも処方されている。これらの薬には比較する基準がないので、その中で別の製品に切り替えることは賢明ではない
中毒量と有効量の差がわずかな薬(安全域が狭い) フェニトイン、カルバマゼピン、バルプロ酸などの抗けいれん薬;ジゴキシン(心不全用);抗凝固薬のワルファリン 安全域が比較的狭い(少量では効かず、多すぎると副作用を起こすおそれがある)
降圧薬 ヒドララジン、レセルピン、レセルピン+ヒドロクロロチアジド、レセルピン+ヒドロフルメチアジド これらの薬のジェネリック薬はブランド薬と生物学的に同等でない
経口投与用の抗ぜんそく薬 テオフィリン、ダイフィリン、一部のアミノフィリン製剤 これらの製品は一般に生物学的に同等でないため、1つの製品が有効なら、どうしても必要でない限り、別の製品への切り替えはすべきでない
エアロゾル製剤、特に抗ぜんそく薬 メタプロテレノール、テルブタリン(広く使用されている気管支拡張薬)、一部のエアロゾルステロイド製剤 どの製品も効果が期待されるが、それらを比較するための基準はまだ開発中
ステロイドのクリーム、ローション、軟膏 アルクロメタゾン、アムシノニド、ベタメタゾン、クロコルトロン、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノロン、フルオシノニド、フルランドレノリド、フルチカゾン、ハルシノニド、ハロベタソール、ヒドロコルチゾン、モメタゾン、トリアムシノロン これらの製品は皮膚反応のテストで標準化され、多くはFDAによって生物学的に同等であると評価されている。しかし反応はさまざまで、薬の基剤(クリーム、軟膏、ゲル)によって、効果も異なる。反応が予測できないので、ある製品が効果があるなら、別のものへの切り替えはすべきでない
ステロイド錠剤 デキサメタゾン、一部のプレドニゾロン製剤 多くのジェネリック薬はブランド薬と生物学的に同等ではなく、安易な切り替えはすべきでない
ホルモン エステル化エストロゲン(更年期女性のエストロゲン補充療法)、一部のメドロキシプロゲステロン製剤、メチルテストステロンの大半のジェネリック製剤 エステル化エストロゲンの2つの製剤は、生物学的に同等ではない。ホルモンは少量服用するものなので、製剤の違いによって反応に大きな変化が生じることも考えられる
抗糖尿病薬 グリブリド(成人発症の糖尿病用) グリブリドの1つの製品、グリナーゼは他のものとは切り替えられない
痛風を抑える薬 プロベネシド、コルヒチン これらの薬のジェネリック薬はブランド薬と生物学的に同等でない
抗精神病薬 クロルプロマジン錠剤 これらの薬のジェネリック薬はブランド薬と生物学的に同等でない
抗うつ薬 アミトリプチリンの数種類の製剤、アミトリプチリン+ペルフェナジンの1製剤 すべての製品が互換性があるとは限らない。特定のジェネリック薬がFDAによりブランド薬と生物学的に同等であるとみなされているかどうかは、薬剤師に尋ねるとよい
カリウム ほとんどの錠剤タイプの長時間作用型カリウム補充薬 カプセル(錠剤でない)タイプの長時間作用型カリウム薬は生物学的に同等とみなされているため、切り替え可能
その他の薬 ジスルフィラム、フルオキシメステロン、マジンドール、ニコチンパッチ、フェニトイン(速効型)、プロメタジン錠剤と座薬、インド蛇木、トリクロルメチアジド ジェネリック薬は生物学的に同等ではない。どの製品も有効である可能性はあるが、製品間の切り替えはすべきでない
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