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粘液腫

粘液腫は、一般的に形状が不規則でゼリー状の非癌性原発性腫瘍です。

原発性心臓腫瘍の半数は粘液腫です。粘液腫の4分の3は、肺から酸素の豊富な血液を受け取る左心房に発生します。粘液腫の中には、家族間で遺伝するものがあります。遺伝性の粘液腫はたいてい、20代半ばの男性に多く発生します。遺伝性ではない粘液腫は女性に多く、特に40〜60歳の女性によく発生します。遺伝性ではない粘液腫は、遺伝性の粘液腫に比べ、左心房により多く生じる傾向があります。

粘液腫が心臓内の血流を遮断するしくみ

粘液腫が心臓内の血流を遮断するしくみ

左心房内の粘液腫は、細い茎状の根元から成長し、血流に乗って自由に揺れ動きます。粘液腫はこうした動きに伴い、近くにある左心房から左心室内へ開いている僧帽弁に出たり入ったりします。粘液腫が揺れ動くたびに、弁が何度も繰り返しふさがったり開いたりするため、血流が間欠的に遮断されたり再開したりします。

左心房の粘液腫は、根元が細い茎状のところから成長して、テザーボール(柱の上端からぶら下がっている球)のように、血流に乗って自由に揺れ動きます。粘液腫は揺れながら、その近くにある、左心房から左心室に向けて開く僧帽弁を出たり入ったりします。このような動きのたびに、弁が何度も繰り返しふさがったり開いたりするため、血流が断続的に止まったり再開したりします。

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粘液腫はどのように心臓内の血流を遮断するか

粘液腫はどのように心臓内の血流を遮断するか

症状

左心房に粘液腫のある人が立ち上がると息切れを感じたり、失神したりします。立っている状態では、重力によって粘液腫が開いている僧帽弁の中に引っぱりこまれるため、心臓を通る血流が遮断されます。そのため一過性の心不全が起こります。横になると、粘液腫が僧帽弁から離れるため、症状が軽くなります。

粘液腫の破片や粘液腫の表面に形成された血液のかたまりが砕かれて塞栓となって血流に乗り、他の臓器に移動し、そこの動脈を詰まらせる可能性があります。その結果生じる症状は、どの動脈が遮断されるかによって異なります。たとえば、脳内の動脈が詰まると脳卒中が起こり、肺の中の動脈が詰まると痛みや喀血(かっけつ)を起こします。

粘液腫のその他の症状として、発熱、体重減少、レイノー現象(手足の指先が寒気にさらされたように冷たくなって痛む)、赤血球数の低下(貧血)、白血球数の上昇、血小板数の低下などがあります。

診断と治療

粘液腫は症状に基づいて推測されます。聴診では、僧帽弁から血液が逆流する僧帽弁逆流(心臓弁障害: 僧帽弁逆流を参照)により生じる心雑音が聞こえます。この原因として、非常にまれなものは粘液腫による僧帽弁の損傷、比較的多くみられるものはリウマチ熱による損傷です。腫瘍かリウマチ熱かは普通、心音と病歴から鑑別できます。

診断は、心エコー検査で確定します。その他の方法として、血管造影検査、CT検査、MRI検査、生検などが、ときに必要になります。

粘液腫は、外科的切除によってたいていは治癒します。

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