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シンスプリント

シンスプリントは、すねに沿った筋肉に損傷が生じて痛む状態です。

シンスプリントとは

シンスプリントとは

シンスプリントは、すねの前側と外側の筋肉(前外側シンスプリント)またはすねの後ろ側と内側の筋肉(後内側シンプリント)に起こります。どの筋肉に炎症を起こしたかによって、痛みを感じる部位が異なります。

シンスプリントは通常、足のすねの部分に、長期にわたって繰り返し負荷がかかるために起こります。シンスプリントを起こしやすいすねの筋肉には2つのグループがあり、損傷がどちらに生じたかによって、痛む部位が異なります。

前外側シンスプリントは、すねの前面と外側の筋肉が侵された状態です。このタイプは、拮抗する関係にある筋肉の大きさがもともと不均衡であるために起こります。すねの筋肉は足を引き上げ、より強く大きいふくらはぎの筋肉は、歩行中やランニング中の着地時に足を地面まで引き下げる働きをしています。ふくらはぎの筋肉の力が強すぎると、すねの筋肉に損傷が生じることがあります。

主な症状は、すねの前面や外側の痛みです。最初はランニング、ウオーキング、スキーなどの運動中、かかとが地面に打ちつけられた直後にだけ痛みが生じます。さらに運動を続けると、痛みは運動中ずっと持続するようになり、やがて常に痛みがある状態になります。医師にかかるころには、すねに圧痛(押すと痛む)がみられます。

このタイプのシンスプリントを治すには、走るのは一時的にやめて、別の種類の運動をすることが必要です。ふくらはぎの筋肉を伸ばす運動が有用です。すねの筋肉が治りはじめたら、この筋肉を強化する運動(バケツを使った運動など)を1日おきに10回ずつ3セット行います。

後内側シンスプリントは、すねの後面と内側の筋肉が侵された状態です。これらの筋肉はつま先をけり出す前にかかとを持ち上げる役割を果たしています。このタイプのシンスプリントは傾斜のあるトラックや中央が高くなった道路を走ると起こりやすく、足の小指側に体重がかかりすぎたり(回内)、このような回転を十分に防げない靴を使用していると悪化の原因となります。

痛みはまず、すねの内側から始まることが多く、足首の関節から約2.5〜20センチ上に痛みが現れます。つま先立ちしたり、足首を内側にひねると痛みが強まります。さらに走ることを続けていると、痛みはすねの前面に広がり、足首の関節内を侵し、上方にも広がって膝の付近(膝から5〜10センチ以内)にまで及ぶことがあります。シンスプリントの進行とともに痛みは強まり、最初は筋肉の腱だけが炎症を起こして痛みますが、それでも走り続けていると筋肉自体にも炎症が広がることがあります。やがて、炎症を起こした腱が緊張して引っぱる力が生じ、骨との付着部からはがれたり、出血やさらなる炎症を起こすことがあります。

治療ではまず第一に、走ることをやめます。走っても痛くなくなるまでは、別の種類の運動をします。ヒールカウンター(靴の後部)の硬いランニングシューズや土踏まずのアーチをサポートする靴をはくと、足が過度に回転するのを防ぐことができます。傾斜したトラックや道路を走るのを避けることは、シンスプリントの再発防止に役立ちます。損傷を受けた筋肉を強化する運動も有用です。

カルシトニン(骨をつくるホルモン)の連日注射や、アレンドロン酸(骨量の減少を遅らせる薬)の経口投与からなる実験的な治療によって、他の治療法で効果がなかったシンスプリントが治癒したケースもあります。ときに、どの治療法も効果がなく、走ることを永久的に断念せざるをえない場合もあります。

すねの筋肉を強化する運動

  • バケツを使った運動
    空のバケツの取っ手にタオルを巻きます。テーブルの上など、足が床に届かない程度の高さの位置に座ります。バケツの取っ手を片方の足の甲にかけます。まず足首を曲げて、バケツのかかったつま先をゆっくりと上げます。次に足首をゆっくりと伸ばし、バケツを下ろします。これを10回繰り返したら、2〜3秒間休憩します。この10回を1セットとして、さらに2セット行います。運動の負荷を増す場合はバケツに水を入れますが、足に痛みを感じない程度の量にとどめます。
  • つま先立ち
    起立して、ゆっくりと両足でつま先立ちをします。次にゆっくりとかかとを床に下ろします。これを10回繰り返したら、1分間休憩します。この10回を1セットとして、さらに2セット行います。この運動が楽にできるようになったら、ウエートを持って行います。ウエートは徐々に重くしていきます。
  • 外側に回す運動
    起立して、足首をゆっくりと外側へ回し、足の裏の内側が床から持ち上がるようにします。次にゆっくりと足の裏を床に戻します。これを10回ずつ、3セット行います。

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