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はじめに

神経系は、中枢神経系(脳と脊髄[せきずい])と、末梢神経系(脳や脊髄から全身に伸びている神経)の2つに分かれています。

この神経系の基本構成単位が、神経細胞(ニューロン)です。神経細胞は、大きな細胞体と神経線維で構成されています。神経線維は、電気信号を送る役目をする1本の長く伸びた突起(軸索)と、電気信号を受け取る役目をする多くの枝(樹状突起)からできています。正常なら神経は、1つの神経細胞の軸索から隣の神経細胞の樹状突起へ向かって、一方向にだけ電気的に信号を伝達します。神経細胞の接合部(シナプス)では、軸索から神経伝達物質と呼ばれる微量の化学伝達物質が放出されます。神経伝達物質は、隣接した神経細胞の樹状突起にある受容体を刺激して、新しい電気の流れを起こさせます。異なるタイプの神経は、それぞれ異なる神経伝達物質を利用して、シナプスを経由して電気信号を伝えています。

神経系は、大量の情報を同時に送受信している、とてつもなく複雑な通信システムです。それでいて病気や外傷には弱く、たとえば神経が変性すると、アルツハイマー病やパーキンソン病などを引き起こします。また、脳や脊髄に細菌やウイルスが感染すると、脳炎や髄膜炎が起こります。脳への血流が妨げられて脳卒中を起こしたり、外傷や腫瘍(しゅよう)によって脳や脊髄が構造的なダメージを受けてしまうこともあります。

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