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はじめに

12対の神経からなる脳神経は、脳から直接頭や首のさまざまな部位へ伸びています。脳内で脳神経の接続が障害される病気には、核間性眼筋麻痺などがあります。脳神経が1本だけ侵される病気には三叉神経痛、ベル麻痺、片側顔面けいれん、舌咽神経痛などがあります。医師が脳神経の障害を疑うときには、脳神経の機能をテストします。このテストでは、動いている対象を眼で追うなどの単純動作を患者に実行してもらいます。

脳神経機能検査

脳神経番号

名称

機能

検査方法

1 嗅神経 嗅覚 特有のにおいのある物質(せっけん、コーヒー、スパイスなど)を鼻の下に置き、名前を当ててもらう。左右の鼻孔は別々に行う
2 視神経 視力、瞳孔の光感知力 視力検査表を読んでもらう。周辺視力の検査では、視野の隅に置かれたものや動くものの名前を当ててもらう
3 動眼神経 眼球の上方・下方・内側への運動、光の変化に対する瞳孔の収縮と拡大機能 検査員が動かす目標を眼で追ってもらい、左右の眼を上方、下方、内側へ動かす能力を検査する。上まぶたが垂れ下がっていないかをチェックする
4 滑車神経 眼球の下方・内側への運動 検査員が動かす目標を眼で追ってもらい、左右の眼を下方と内側へ動かす能力を検査する
5 三叉神経 顔面の感覚、食物をかむ機能(咀嚼) 顔面の感覚は針と綿棒で検査する。まばたき反射は綿棒で角膜に触れて調べる。あごをコントロールする筋肉の動きと力の検査は、歯をかみしめてもらい、あごが押さえられた状態で口を開けてみる
6 外転神経 眼球の左右への(側方)運動 左右の眼球が正中線より外側へ動くかどうかを調べる
7 顔面神経 顔の表情、舌の前方3分の2の味覚 顔を動かす能力のテストは、ほほ笑む、口を開けて歯をみせる、眼を固く閉じるといった動作をしてもらう。味覚の検査は、甘味(砂糖)、酸味(レモン汁)、塩味(塩)、苦味(アスピリン、キニーネ、アロエ)のある各物質でチェックする
8 聴神経 聴覚、平衡感覚 聴覚は音叉で調べる。平衡感覚の検査は、被験者に直線の上を歩いてもらう
9 舌咽神経 ものを飲みこむ機能(嚥下)、咽頭反射、発語 第9脳神経と第10脳神経は同様の機能をコントロールしているため、一緒に検査する。ものを飲みこんでもらう。「アー」と声を出してもらい、口蓋(口の天井側)と口蓋垂(のどの奥にぶら下がっている小さな軟らかい突起)の動きをチェックする。のどの奥を舌圧子で触れて咽頭反射を誘発する。被験者に話してもらい、声のかすれをチェックする
10 迷走神経 ものを飲みこむ機能、咽頭反射、発語、心臓を含む内臓筋の制御 第9脳神経の検査と同様
11 副神経 首の回転運動、肩の上下運動 被験者に首を回してもらい、検査員が押さえている肩をすくめてもらう
12 舌下神経 舌の運き 舌を突き出して、左右に動かしてもらう
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