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強迫性障害

強迫性障害は、自分でもばかばかしい、変だ、うんざりする、ぞっとするなどと思いながらも、意思に反して繰り返し頭の中に何らかの考え、イメージ、あるいは衝動が割りこんでくること(強迫観念)を特徴とし、その強迫観念によって引き起こされる不快感を取り除こうとする行動(強迫行為)を伴います。

強迫性障害は男女ともに同程度に発生し、任意の6カ月の間に人口の約1.5%に生じます。

強迫観念は通常、危害や危険に対する感覚と結びついています。よくある強迫観念には、感染への恐れ(たとえば、ドアノブに触れると病気がうつる)、心配(たとえば、玄関の鍵を閉めただろうかと心配する)、何かがないことに対する恐れ、他者に危害を加えてしまうのではないかという恐れなどがあります。

強迫性障害の人の95%以上が、強迫的に行わずにはいられない1種の「儀式」として、目的をもって繰り返し意図的に行う行為をもっています。強迫観念を振り払うために行う儀式には、感染しないように徹底的な手洗いや掃除をする、心配や不安を鎮めるために確認する、物がなくならないようにためこむ、攻撃の対象にしてしまいそうな人を避けるといったものがあります。過剰な手洗いやドアの施錠を何度も確認するなど、儀式の多くは外部から観察することができます。一方、数を繰り返し数える、危険を軽減するための呪文を唱えるといった、はた目にはわからない内面的な儀式もあります。また強迫観念は存在しても、強迫行為を伴わない場合もあります。

強迫性障害の人の大半は、自分の強迫観念が実際の危険を反映しているわけではないことを認識していて、強迫感にとらわれた自分の行為に意味がないこともわかっています。強迫性障害はその点で、現実との接点を失う精神病性障害とは異なります。強迫性障害は、特定の性格特性(たとえば、完全主義など)を伴う強迫性人格障害(人格障害: 強迫性人格を参照)とも異なります。本人は自分の強迫行為が異常で奇妙であることがわかっていて、人に気づかれると恥ずかしくみっともないと思っているので、たとえ毎日数時間かかる行為だとしても、たいていはこっそりと自分の儀式を行います。

強迫性障害のある人の約3分の1に、強迫性障害と診断された時点で抑うつがみられます。全体では3分の2の人に、いずれかの時点で抑うつが生じます。

治療

強迫性障害の治療には、暴露療法が有効です。暴露療法では、強迫観念、儀式的行為、不快感を引き起こす状況や人物に直面させます。挑発的な刺激に繰り返し直面する中で、儀式的な行為をしないように努力することで、不快感や不安は次第に薄れていきます。そしてこのことによって、不快感をなくすために儀式的行為は必要ではないということを、本人自身が認識するようになります。この方法はいったん習得すれば、治療の終了後もそれほど努力せずに日常的に自分で継続して実施していくことができるため、改善効果は長期にわたって持続します。

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や三環系抗うつ薬のクロミプラミンが有効です。他の抗うつ薬が使用される場合もありますが、あまり一般的ではありません。強迫性障害の治療には、行動療法と薬物療法を組み合わせて行うのが最も有効であると多くの専門家は考えています。

力動的心理療法や精神分析は一般に、強迫性障害には有効ではありません。

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