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抗不安薬と鎮静薬

不安の治療に使用される処方薬(抗不安薬)や眠気を誘発する薬(鎮静薬、睡眠薬)には依存性があります。たとえばベンゾジアゼピン、バルビツール酸、グルテチミド、抱水クロラール、メプロバメートといった薬がこれに該当します。それぞれ作用が異なり、依存性や耐性(ある薬物に体が慣れて効きにくくなる現象)の生じやすさも異なります。抗不安薬や鎮静薬への依存の大半は、最初は医療上の必要があって服用を始めた人たちに生じています。継続的に使用すると、2週間以内で依存性が生じます。

乱用のおそれがある処方薬の分類

米国では、依存性を生じるおそれがある処方薬は連邦政府による規制の対象になっています。規制薬物法(CSA)で規制されているすべての処方薬は一覧表(スケジュール)で分類され、それぞれのグループごとに処方する上でのルールが定められています。スケジュールIの薬物は、乱用の可能性がきわめて高く、容認された医療用途がなく、容認できる安全性データがないものです。スケジュールIIの薬物は、乱用の可能性は高いが、一部に適切な医療用途があるものです。スケジュールIIIは乱用の可能性が低いもの、スケジュールIVとVは乱用の可能性が非常に低い薬物です。

症状と合併症

抗不安薬と鎮静薬は注意力を低下させ、言葉が不明瞭になったり、協調運動の低下、錯乱、遅い呼吸などを引き起こします。抑うつと不安を交互に生じさせることもあります。記憶喪失、判断力の低下、注意持続時間の減少、激しい感情の起伏が生じる人もいます。高齢者の場合は、痴呆のような状態になって話し方が遅くなり、ものごとを考えるのが困難になったり、人の話の内容を理解できなくなったりします。また、転倒により骨折、特に大腿骨の骨折を起こしやすくなります。

鎮静薬を数日以上使用すると、しばしば鎮静薬なしでは眠れないと感じるようになります。鎮静薬がないと寝るときに不安になって神経過敏になり、いらいらして眠れなくなります。

抗不安薬や鎮静薬の使用を突然やめると、アルコール離脱症状(振戦せん妄(薬物の使用と乱用: 症状と合併症を参照))とよく似た生命にかかわる激しい反応が生じることがあります。離脱反応の経過は薬によって異なります。最初の12〜24時間以内に、神経過敏になり、落ち着きがなくなり、ふるえや脱力などの症状が現れます。薬の使用量が多かった人の場合は、発作が起こることがあります。離脱後1〜3週間もたってから発作が起こることもあります。

離脱期間中に生じる可能性のある症状にはこのほか、脱水、幻覚、不眠、錯乱、幻視や幻聴(そこにないものが見えたり聞こえたりする)などがあります。重篤な離脱反応は、ベンゾジアゼピンよりもバルビツール酸やグルテチミドに多くみられます。離脱期間中は激しい反応が出る可能性があるため、通常は入院することになります。

治療

救急治療: 抗不安薬や鎮静薬を過量服用した場合は入院が必要で、集中治療室で治療を受けることになります。ベンゾジアゼピンには作用を中和する薬としてフルマゼニルがあります。点滴による補液や、血圧低下がみられる場合は投薬や人工呼吸などの支持療法を行います。

解毒とリハビリテーション: 離脱症状が軽い場合は、不安をなくすために、また薬を使いたくなる誘惑に打ち勝てるよう、社会的、精神的にサポートします。離脱症状が激しい場合は、入院して医師の厳重な管理の下で、同じ薬を以前より低用量で再開する必要があります。数日から数週間かけて投与量を徐々に減らしていき、最終的に中止します。最良の治療を行った場合でも、正常な状態に回復するには1カ月以上かかります。

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