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良性腫瘍

さまざまな良性腫瘍が、口の中や周囲に発生します。歯肉にできるかたまりやこぶは、癌ではなく膿瘍(のうよう)または炎症によってできたこぶです。炎症を原因とする良性腫瘍は比較的多く、必要に応じて手術で摘除されます。歯肉にできる良性腫瘍の10〜40%は、炎症を起こす原因が解消されない場合、再発します。このような炎症は、特に長期間放っておくと癌化することがあります。口の中や周囲に発生する腫瘍は癌の可能性があるので、医師の診察を受けるべきです。

指にできたいぼを口で吸ったりすることによって、いぼのウイルスが口へ伝染することがあります。いぼの別のタイプである性器いぼは、オーラルセックスによって伝染します(性感染症: 性器いぼを参照)。普通のいぼは、いくつかの方法で取り除くことができます(ウイルス性皮膚感染症: 治療を参照)。一方、性器いぼは、除去する方法はいくつかありますが、何度も再発する傾向があります。

口蓋の中央や下あごの舌下に、骨が徐々に隆起してくることがあります。この硬い隆起は、よくあるもので無害です。思春期に現れて生涯消えません。たとえ大きな隆起であっても、食事中にこすれたり入れ歯の妨げになったりしない限りは、そのまま放置されます。ただし口の中に骨の腫瘍(骨腫)が多発する場合は、消化管の遺伝性疾患であるガードナー症候群の可能性があります(消化器系の腫瘍: 大腸と直腸のポリープを参照)。

角化性棘細胞腫(かくかせいきょくさいぼうしゅ)は唇、顔、手などの太陽光線にさらされる部分にできる良性腫瘍です。1〜2カ月で直径1〜2.5センチメートル以上の大きさに成長し、数カ月後には萎縮しはじめて、最終的には治療をしなくても自然消滅します。

さまざまな種類の嚢胞(のうほう)、たとえばへこんだ嚢胞や内部に水がたまった嚢胞などが、あごに発生して痛みと腫れを引き起こします。口内に出てきていない埋伏智歯(親知らず)の隣に発生することが多く、癌ではありませんが、拡大するとあごの骨のかなりの範囲が破壊されます。一部の嚢胞は、手術で取り除いた後もかなりの割合で再発します。また口底にも、さまざまな種類の嚢胞が発生します。これらの嚢胞の多くは、食べたものを飲みこみづらくしたり見た目にも良くないため手術で取り除きます。

歯牙腫(しがしゅ)は歯をつくる細胞が異常増殖したもので、不格好な小さい歯が余分に生えているように見えます。小児の場合、歯牙腫は正常な歯が生えてくる妨げになります。成人では歯牙腫が正常な歯を押し出すために、歯並びが悪くなります。治療には摘出手術が行われます。

唾液腺腫瘍の75〜80%が良性で、成長のスピードは遅く痛みもありません。単独の軟らかい動くかたまりで、正常な皮膚の下やほお内側の粘膜の下に発生します。陥凹していたり内部に水がたまっていると硬くなります。最も多いタイプは混合腫瘍あるいは多形腺腫と呼ばれる唾液腺腫瘍で、40歳以上の女性に多く発生します。多形腺腫は癌化することがあるため、手術で摘出されます。手術で取り残しがあると再発しやすくなります。その他のタイプの唾液腺腫瘍も手術で摘出しますが、多形腺腫とは異なり、癌化や摘出後の再発の可能性はほとんどありません。

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