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旅行者下痢症

旅行者下痢症は、上水道の整備が不十分な国や地域へ旅行した人によくみられる、下痢、吐き気、嘔吐などを起こす病気です。

旅行先には、旅行者が今までほとんど接したことがなく、したがって免疫がない微生物がいることがあります。旅行者下痢症は、こうした微生物の入った飲食物を摂取することによって起こります。多くの場合は、水道水の処理が不十分な開発途上国に旅行した人にみられます。旅行者下痢症の原因として最もよくみられる微生物は、ある種の毒素を産生する大腸菌とノーウォークウイルスなどのウイルスです。

症状と診断

吐き気、嘔吐、腸のグルグルという音、腹部のけいれん痛、下痢などさまざまな症状が起き、その程度もいろいろです。ノーウォークウイルスに感染した場合は嘔吐、頭痛、筋肉痛が特によく起こります。ほとんどの場合は軽症で、治療の必要はなく、3〜5日で症状が消えます。診断のために検査が必要になることはまれです。

予防と治療

旅行するときは、衛生面が信頼できるレストランだけで食事をするようにし、街頭で売っている飲食物は買わないようにします。加熱調理され、冷める前の料理はおおむね安全です。生野菜のサラダは避け、果物はすべて自分で皮をむきます。水は、瓶入りの炭酸水か一度沸騰させた水だけを飲むようにします。氷も、いったん沸騰させた水からつくります。

抗生物質を予防的に服用することはあまり好ましくなく、普通は、免疫機能が低下しているなど旅行者下痢症に特にかかりやすい人だけが抗生物質の服用を勧められます。よく使用される抗生物質はシプロフロキサシンです。市販薬の次サリチル酸ビスマスも有効です。

症状が起きた場合は、十分な水分を補給し、調理して軟らかくしたシリアル、バナナ、ご飯、すりおろしたリンゴ、トーストなど刺激のない食べものを取るようにします。シプロフロキサシンなどの抗生物質や、ロペラミドやビスマスなどの下痢止め薬も用いられます。旅行中であっても、発熱や血便がある場合は診察を受けるようにします。

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